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2-6)蝦夷鹿の話(その二)
 蝦夷鹿達はあらかじめ逃げるルートを想定していて、敵が襲って来たら、一目散に駆け出します。蝦夷鹿の天敵は羆(ヒグマ)です。ヒグマは鹿を襲って食べてしまいます。鹿の武器は早い足です。草原を駆けるスピードはヒグマより速いのです。つまりヒグマに襲われる前に全速力で走る事が出来れば逃げ切れるのです。

 逆をいうと、襲われた瞬間の逃げるまでの反応速度が明暗を分けます。その間子鹿達は動かずにじっとしているようにしつけられています。親が目立つ場所にいて、敵の注意を引いて逃げると、ヒグマは逃げるものを追う性質があるので子鹿達から離れるように逃げる事で子鹿を守る事が出来るのです。この行動は水鳥のカモが雛(ひな)を守る時にも使う方法です。
 
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