次に進む
19)続_湧別原野オホーツククロスカントリースキー大会_2008
 横から見ると深く刺さっていることがわかります。
作戦変更の段取りを説明して少しづつしゃくって慎重に引っ張り出しました。突っ込んでから1時間以上も助けを待っていたそうです。

 現場は車体右方向の雪原から地吹雪が吹き付けている状態です。もしこのまま放置すると風下側に吹き溜まりが発達して車体は埋もれていきます。車体後部の排気管の上まで埋まってしまうと、排気ガスは車体の下の空間に流れ込みエンジンルームに到達し、エンジンが自分の出した排気ガスを吸い込むようになります。

 そうすると激しい不完全燃焼により急速に排気ガス中の一酸化炭素濃度が高まっていきます。昔の車ではアイドリングが安定しなくなりエンジンは止まってしまう所ですが、優秀な電子制御の利いた現代の車は不完全燃焼しながらもエンジンが止まらないようにアイドリングを続けるのです。

 実験によるとその時若干アイドリング回転数を上げて止まってしまわないようにエンジンコントロールが働くようです。その結果高濃度の一酸化炭素が車体の下に充満する事になります、それが少しづつ車内に侵入して乗員に吸引されていきます。車内の一酸化炭素濃度が0.1パーセント程度に達すると深刻な事態になるようです。

 この日は北海道各地で吹き溜まりに埋もれて立ち往生する車が続出しました。残念な事にそのうちの一台車の中で死亡している人が発見されてしまいました。
次の写真に進む
表題に戻る
下の写真をクリックしても戻ります