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オロロン鳥(後編) 8)
 営巣地周囲では餌を持ち帰った「ウトウ」とその餌を狙うウミネコの熾烈な戦いが延々と続きます。完全に暗闇に包まれてもなお、帰巣する「ウトウ」が途切れる事無く次々と飛んできます。暗いほうが敵に見つかりにくく、餌を奪われてしまう危険が減るようです。

 「ウトウ」の夜の営巣地は、断続的に吹き鳴らす「草笛」を低くしたような親鳥の鳴き声と、それに答えるようにヒヨコの声をソプラノに振ったような高音系の雛の鳴き声が交互して、暗闇の底に充満しています。

 それは全校生徒1000人を体育館にびっしり座らせて暗幕を引いて暗闇にした上で一斉に草笛を吹かせたような、腹に響く地鳴りのような命の証しに包まれる一夜でした。
 
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