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93)元旦宗谷岬ツーリング2011_6)
海岸線は予想通りの強風です。 スノーシェルターの中で一休み。  
走行風と凍傷
 写真はバイクのシールドに外したサングラス引っ掛けてデジカメの電池を交換しています。
 
 バイクの停止中は走行風が当たらないのでサングラスが曇らないように手早く外して作業します。再発進する時は、まず呼吸を整えて大きく息を吐き、サングラスを装着してフェースガードを整え、両手にグローブを履いてドローコードを絞りストラップを締めて、防風を施してから発進します。時間にして1分以内。

 その間呼吸は止めつつ、僅かに息を吸いつつ、手早く準備します。 もし作業中に息を吐くと呼気中の水蒸気がサングラスを曇らせてしまいます。 そして走り出すと直ぐ走行風で曇りが凍り霜になって視界を妨げてしまいます。

 サングラスに付いた霜は昇華するのに時間がかかり、その間ずっと視界を妨げ続けます。 さらに、へたをすると霜が発達する事があり、そうなると一度バイクを停めてサングラスをエンジンにかざして温めて解氷蒸発させるしかありません。

 実は冷えた無風の日には信号待ちで止まる時も息を止めて曇りを防いでいます。

 また、フェースガードの整えが悪いと、隙間から走行風が入り顔が凍傷になる恐れがあります。 顔全体が走行風で強冷却されている為皮膚感覚が鈍く、事前に凍傷の発生を感知する事ができません。

 そのため深い凍傷を作ってしまう事があります。 それは走行を終えて温まると鋭い痛みとなって発覚します。そうして目の周りに細く深い凍傷が出来上がります。見た目に赤黒い筋状に現れ、数日後痛みが引く頃黒いかさぶた状になり、痛痒く気になりいじっているうちに、やがて細く剥けるように皮膚から剥がれ、凍傷跡が皮膚が陥没したようになります。傷跡が判らなくなるまで回復するのに6週以上はかかります。

 凍傷が起こるのは気温と走行風によりますが、おおむねマイナス10度あたりから急に危険が高まります。マイナス15度を越えると冷えすぎて顔の皮膚感覚がほとんど無くなるので、ゆっくり走って走行風を弱めないと、ほんの数分で深い凍傷を作ってしまう恐れがあります。

 逆にマイナス5度位までなら全体的に浅い「しもやけ」になる事はあっても、深い凍傷を作る危険は殆どありません。 ただし高速道路は例外でマイナス5度は危険領域です。

 冬は特に気温と風の関係には注意が必要です。それをウインドチルとか冷風効果といって数値化されているようです。 感覚としては風によって体温を強制的に奪い取られるイメージです。

 風を切って走るバイクは様々な工夫に迫られるのが面白い。それは走る速度に比例して増大します。逆にゆっくり走っている分にはこのような問題は起こりません。
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