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93)元旦宗谷岬ツーリング2011_10)
 稚内ドーム温泉でゆっくり身体を温める。 湯上りに併設のレストランに入り以前メニューにあった「トルコライス」を探してみるもありません。 代わりに「牛スジ煮込み定食」が目に留まりました。
海辺山麓の思い出
 「牛スジ煮込み定食\500」その味は今は無き行きつけの居酒屋「海辺山麓」で食べた、生ギネスに良く合う澄んだ牛スジ煮込みの味だった。 海辺山麓の主人は料理好きが講じて店を持つことになるが、元々美術学校の先生をしていた人だった。

 その頃自分はICI石井スポーツというアウトドア用品店でマウンテンバイクを販売していた。そこに買いに来てくれた事がファーストコンタクトだ。 4〜5万の予算で見に来た先生に言葉巧みに11万5千円の自転車を売りつけた事で信頼関係が出来て(笑)、後に18万の自転車を二台買ってもらったり、たくさんのお客さんを紹介してもらった。

 冬にはクロスカントリースキーを勧めて、一緒に湧別85kmスキーマラソンを走りに行った。それは先生の教え子の弟子を巻き込んで、雪中キャンプをしてのスキーマラソン遠征という珍道中だった。

 そんな先生が脱サラして開いた店が「海辺山麓」だ、丁度開店の時期バイク事故でリハビリ中だった自分はタイムカードを作れるくらい日々通い詰めた。 先生は時々講義をしているように色々な話をしてくれた。 海辺山麓は先生の教え子たちを中心にいつも盛り上がり繁盛店になっていった。

 居酒屋は大人の学校だった、片っ端からお客同士が仲良くなって様々な話をして皆で飲んで盛り上がっていた。バス一台仕立てて皆で泊まりで温泉スキーツアーに出かけたりもした。当然夜は大宴会。 この店で出会って結婚したカップルが確実な数字で2組いる。結婚に至らなかったカップルは何組だろう?


 そんな海辺山麓は惜しまれながら閉店し今年初め先生は病気で他界してしまいました。


 在りし日の海辺山麓で、天気が悪く大雨の日に店の客がついに自分ひとりだけだった事がありました。いつも顔を出す常連までもが待てど暮らせど誰も来ず、ついに閉店の時間になった時、そこから先生が自分の晩年についてしみじみと未来予想図の話をしてくれた事がありました。 その時は普通に聞いていたけど後になって思うとまったくその通りになっています。

 先生は自分の晩年の姿が見えていたのでしょうか?

 日本酒の旨さを教えてくれた先生でもありました。「無手無冠」「鬼辛」「黒龍」「菊姫」「麒麟山」「〆張鶴」「浦霞」「白菊」「刈穂」 焼酎は栗焼酎「ダバダ火振り」 生ビールは「ギネス」と「ハートランド」 こだわりの品揃え、当事札幌市内で生ギネスを飲ませる店は海辺山麓と米風亭だけでした。それぞれに合う創作料理、「馬力豆腐」「タコぺぺ」そして「牛スジ煮込み」も定番「フィッシュアンドチップス」と並ぶギネスの友でした。

 先生、まだ飲み足りません。いつかまた海辺山麓OB会を開きましょう。
在りし日の海辺山麓のカウンターの写真 海辺山麓閉店後に行ったOB会の写真
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