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準備を整えいざ出撃! 
 
工夫の余地
 
両足共に床に付けてはいけない。さらに右手は使えないという状態で用を足す方法。 前段階として看護師さんに手を借りてベッドから車椅子へ乗り移り、トイレまで連れて行ってもらう。
 
1)まず真正面からトイレに突入、車椅子の足を支える部分をトイレ便座に密着させる。

2)前かがみに背中を浮かせ車椅子の背もたれと背中の間に枕を挟み車椅子座面に枕を落とす。

3)後ろにのけぞるように身体をそらせ、仰向けに枕に体重を預けつつ、腰を浮かせ、すこしずつトイレ便座にスライドするように乗り移る。力を掛ける力点は左手、右肘、左足かかとの三箇所。左足かかとはトイレ便座面を通り越し前方に設置された便座面の高さに作られた足置き台(30×30×40)木製本箱状の上にある。左手は可動式手すりを掴み、右手は可動式手すり上に肘を付いて体重を支える。ステンレス丸鋼製手すりと肘の間に緩衝材としてもう一つの枕を挟む。

4)縦長の便座上を正しい発射ポジションまで前進し、骨盤の収まりの良い位置に左右を微調整し、発射ポジションを確定する。

5)発射ポジションが確定したら、腰を浮かせて看護師さんにオムツを外してもらう。肘の枕を落下させないように車椅子の座面に置く。

6)身体を引き起こし前かがみになり、手を伸ばしてトイレ手すり設置基部にチェーンスリングをセットする。(写真左手で持っている青い帯)

7)身体を起こし楽な発射体勢にする。登山用のハーネス(たすき掛けしている茶色い帯)をたすきに使ってチェストハーネスにしたものと、セットしたチェーンスリングをカラビナで連結する。

8)体重をかけ寄りかかりチェストハーネスの利きを確認して必要なら長さの調節をする。

9)ナースコールを引く延長ロープ(古い包帯製)を手元にセットして完成。しばし看護師さんの手をはなれ魚雷発射タイム。

10)左右を可動式手すりに挟まれ、チェストハーネスにより後ろにひっくり返る事も無く、何処かに掴まる事も無く、全く力を抜いたリラックスした状態になっている。

10)全ての魚雷を撃ち終えたら、チェストハーネスとチェーンスリングの連結を解除して車椅子の座面に寝そべるように仰向けになる。

11)可動式手すりに取り付けられているトイレットペーパーを適宜折り畳み左手に持つ。

12)車椅子座面の枕を力点に背筋を使い右回転方向に腰を便座から浮かせて、左側隙間より魚雷発射口の清掃メンテナンスを行う。

13)メンテナンス完了後、発射レバーを左足で操作し、魚雷を海に向けて撃ちだす。

14)ナースコール紐を引いて看護師さんを呼んで、仰向けのまま腰を浮かせオムツを装着してもらい、チェーンスリングを回収。現状復帰して帰還する。
 

ポイントとしては三つ ア)車椅子、トイレ便座、足を支える木製台、この三つが綺麗に一直線に並ぶように配列する イ)車椅子の座面に枕を置いて腰を浮かせやすくする ウ)足置き台に乗せた足がスライドしやすい摩擦の少ない靴下もしくは病院サンダルの準備

後に一人介助でトイレが出来るようになり気持ち的にだいぶ楽になった。特に自分で腰を浮かせて尻を拭けるようになったのは大きかった。

本来これはアイスバーン等でバイクを引き起こすのが困難な場面で使う為にバイクのハンドルバッグに装備していたものだ。自分の引き起こしにも有効だった(笑)。今回の事故でガソリンまみれになっていたものを乾かして持ってきてもらった。それでも強力なガソリン匂がする。「オイル混じりのガソリン匂」=心を安静にする心地よい匂いだ。

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