元旦宗谷岬ツーリング2012_手首と骨盤の傷外固定の写真
手首と骨盤の傷外固定 
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修復手術を受けて

*入院31日目 7月1日(金) 担当看護師 日NeNs 夜TkNs
  1. 頭痛ゲボの恐怖が完全に去り膿盆を手元に置かなくなる
     
  2. CDrの回診レントゲン写真を見て手の創外固定を来週外すとの事
     
  3. リハビリ膝の曲り角90度
     
  4. 夜隣のベッドの患者「ママ・ママなんとかしてくれや」と一晩中騒ぐ、思考回路が正常に機能していないもよう。同室の患者全員寝不足、夜勤の看護師さんもぐったりしていた

*入院32日目 7月2日(土) 担当看護師 日KmNs 夜NeNs
  1. 正担当のNeNs羊蹄山の麓出身、中高一貫看護学校を出て看護師になった。生真面目な性格で常に忙しくしている。この病棟では二年目の試練というものらしい
     
  2. 状態が落ち着いてきたという情報がまわりバイク仲間多数見舞いに訪れる。みんな見舞い慣れしていてありがたい
     
  3. リハビリ膝曲り角90度
     
  4. 夜再び「ママ、ママ」と騒ぎ始める。明け方ついに別室に隔離されてしまう。翌朝部屋移動になった。空いたベッドに救急病棟からバイク事故の患者が入る。山中で仲間と二人でバイクで走行中(タイヤの皮むきをしていたらしい)上空から「トンビ」が急降下してきて胸部に激突したという。左腕骨折転倒路外転落街灯に衝突しバイク大破、肋骨が8本折れ肺に刺さり気胸状態になり呼吸困難に陥りドクターヘリに救われる。トンビライダーと命名

*入院30日目 7月3日(日) 担当看護師 日UmNs 夜ONs
  1. シャワー5回目 
     
  2. 夜骨盤の創外固定ボルト穴が痛み眠れない 
     
  3. 夜中に遠くの部屋でママが騒いだ。病室に笑いが起こった。

*入院34日目 7月4日(月) 担当看護師 日KnNs (初) 夜TmNs
  1. リハビリ骨盤創外固定ボルト穴痛みにより弱気の90度維持
     
  2. バイク仲間が右足を骨折して入院している事を聞かされる。

*入院35日目 7月5日(火) 担当看護師 日SkNs 夜KmNs
  1. 日勤担当SkNs美幌峠麓出身で中高一貫の看護学校を経て看護師になる。患者に丁寧に語りかけるしゃべり方が面白い。帰省のドライブの長さに困っているもよう。
     
  2. シャワーに入れてもらう創外固定ボルト穴左下より膿が出る。痛む
     
  3. ADr 創外固定のボルト穴痛みについては日々洗っていく方針に変わりなく。シャワーの日はシャワーで流し、シャワーの無い日は回診で洗浄する。
     
  4. 同室の患者さん地元の病院へ転院していく。軽4輪と普通乗用車の正面衝突事故、車体に挟まれレスキュー隊に引き出された後にドクターヘリにて搬送。同じ道の駅から飛んできた全身骨折だらけのヘリ仲間。酒,、タバコ、イカ好き、牽引期間を経て手術を受けて回復期に入るもなかなか痛みが治まらずにいた。夜中に「いてて〜」「ぜんぜん寝られない」「困ったな痛くて寝られない〜」等々、独り言ともつぶやきともつかない声を発する。ところが、実際にはつぶやきの直後には高鼾をかいて寝てしまうのだ、そしてしばらくして目を覚ました瞬間に第一声が「あ〜眠れない」「困ったな〜」とやる訳だ、眠っている時間は記憶に無いので一晩中起きているつもりかもしれない。夜中に痛みにうなされるのは皆通る道なのであたたく見守っていた。
     
    ある日の朝の回診時に痛みが酷くて困ってるという話の流れから「夜一睡も出来ないんです」と先生に断言したものだ、それには同室の3人は爆笑してしまった。「Hさん思いっきり寝てますよ」志村けんのコントみたいに「寝られない」と言い終わった瞬間に鼾かいて寝てますよ。と、一連の睡眠パターンを笑いながら説明する事に、自分は笑うと腹の創外固定のボルト穴が痛むし、トンビライダーは折れた8本の肋骨が痛む訳で、もう一人の入院患者は腰骨を砕いていてもろに響く状態で、皆口々に痛いんだから笑わせないで下さいよ〜、そのすこしとぼけた明るいキャラクターのおかげで病室はいつも笑いにあふれていた。
     
    最初に病室に来た頃、地方都市から病院に駆けつけた奥さんの心配に満ちた顔は鮮明に覚えている。それでも命に別状無く、手術も終わり回復期に入る頃にはすっかり落ち着き、夫婦二人で仲良く雑誌のクロスワードパズルを解く姿は心を和ませてくれた。命あればこそ仲良く共に生きるのみ。空いたベットにアラウンド100のおじいちゃんが入る。大腿骨骨折の重傷も旧陸軍兵士だったらしく気丈だ。それについてすごいですねと伝えると、一言「ま〜ね〜」と言った(笑)

*入院36日目 7月6日(水) 担当看護師 日NeNs 夜TkNs
  1. 骨盤創外固定ボルト穴痛みリハビリ膝曲り角度90度現状維持
     
  2. バイク免許の指導教官だった先生のお見舞い。今年のバイク死亡事故が既に17件発生していて北海道公安委員会より各自動車学校にバイク教習の指導が入っているとの事。自分の事故と同じ日にも札幌市内でライダーが一人亡くなっている。交差点内の右折乗用車と直進バイクの衝突という右直事故らしい。
     
  3. とんびライダー1回目の手術。全身麻酔の手術を受けると手術終了後麻酔が覚めても胃腸の活動再会を確認するまで食事をとる事が出来ない。今回は手術順番が最後になったので夕食当たらず。夜中にようやく絶食解除になり腹減りたまらずプリンを食べ串団子を貰って凌いでいた。よほど旨かったらしく以後夜中の団子が習慣化する。

*入院37日目 7月7日(木) 担当看護師 日NeNs 夜UmNs
  1. リハビリ、ボルト穴痛みで弱気の90度維持
     
  2. シャワーでボルト穴を意図的に流す。水圧をかけると痛むも思い切ってジャージャー流す
     
  3. 澤本さん、春の法邑ギャラリー展示会の作品後日談の写真を持ってきてくれる。石狩川河口周辺の草地にランダムに立つ杭に作品をかけて展示し写真撮影を行った後分解して土に返したという。澤本さんらしい

**入院38日目 7月8日(金) 担当看護師 日NeNs 夜SkNs
  1. すべての手術部位レントゲン撮影 レントゲン室内撮影台への移動の際にボルト穴周辺の皮膚への強い張力により傷が開き、痛みが出て膿が出るというシステムである事が今さらに判明する。
     
  2. 今週右手の創外固定がとれるかもという話は来週に持ち越しになる
     
  3. バイク仲間がヘリ様のプラモデルを差し入れてくれる。ユーロコプター社の「EC-135」という型番だ、同じく「EC-145」という別モデルのドクターヘリ塗装バージョンのチビモデルも持ってきてくれる。早速組み立てて右手の創外固定ヘリポートに装着して喜ぶ。「EC-135」はヨーロッパ仕様でオレンジの機体なので、組み立てるには全面塗装が必要になり病院内では難しいか
     手首の創外固定に取り付けたチビヘリ様の写真 うちのヘリ様と同型式のプラモデルの写真
     
  4. 鮨屋のバイク仲間より鮨の差し入れをいただく。リハビリ後の夕食時にありがたくいただく。旨い。本当にうまい。鮨は芸術品だと思う。日本人に生まれて良かったと思う瞬間だ。この方は真っ先にマジックハンドを差し入れてくれた人、何が必要か良く分かっている。
     差し入れのお寿司の写真

*入院39日目 7月9日(土) 担当看護師 日KmNs 夜IuNs
  1. 朝の回診で右手首の創外固定器具が外れる。ベッド上で本体を外し手首の曲り具合と痛みを観察してから4本のボルトをレンチで回し抜く。麻酔無し、最初の一回しの瞬間だけチクリと痛みがあるも無痛、2センチ程刺さっていたネジ山部分が抜けてくる。ただ気持ち悪い感じ
     外れたばかりの手首の創外固定器具の写真
     
  2. 手首の関節の骨の育成具合はあまり顕著に見られないので固定具の外れた手首関節の扱いはかなり慎重に行う必要がある模様
     
  3. リハ膝曲り角95度
     
  4. とんびライダー二回目手術、相当痛そう夜眠れない様子。

*入院40日目 7月10日(日) 担当看護師 日TkNs 夜KmNs
  1. 手首の創外固定が外れて手のポジションによっては痛むようになる。就寝時に注意が必要
     
  2. ストレッチャーでシャワーに移動中、洗面所通過の直角ターンで壁にぶつかり右手が痛ててに、油断大敵だ
     
  3. 帯広のバイク仲間のお見舞い、彼も昨年右直事故に遭いバイクを廃車にして手首を怪我してしまったという。事故第一報の入れ先を誤りその後の事故処理や治療に不都合があったという

*入院41日目 7月11日(月) 担当看護師 日NeNs 夜UmNs
  1. 手首の創外固定取り外しは慎重に扱う必要があるらしく、右手は食事にも使わないほうがいいとの判断をされた。
     
  2. 渡り廊下で救急のNDrに会う。挨拶を交わしお礼をする。元気になったら救急に顔をみせるようにと言ってもらう。
     
  3. のりべー見舞い、事故当時伊藤さんから俺が亡くなったと電話を受けたらしい。それは同日に起きた別のバイク死亡事故と取り違えたようだ、箱入りのバーボンウィスキーを差し入れに置いていく。封を切らずに隠し持ち夜中にこっそり音を楽しむ。ジャックダニエルの瓶は傾けるとボトルネックの所で気泡がコポポポポッと心地よい音を奏でる。
     差し入れのジャックダニエルバーボンウイスキーの写真
     
  4. バイク仲間のお見舞い、たまたま車いすで移動中に一階ロビーで会い二言三言話して本を手渡されそのまま帰る。負担を掛けないようにと気を使ってくれている。感謝!

*入院42日目 7月12日(火) 担当看護師 日NeNs 夜SkNs
  1. 創外固定の外れた右手は痛みも無く快調
     
  2. 膝のリハビリ100度到達
     
  3. 日中担当のNeNs20時過ぎまで残業していた。後で話を聞くと連日3〜4時間程度しか眠っていないという。それはこの病棟二年目の試練らしく、皆そういう状態を乗り越えて一人前になるものらしい。夜担当のSkNsも翌10時まで残業をしていた

*入院43日目 7月13日(水) 担当看護師 日NeNs 夜OkNs
  1. MDr ADrが揃って回診、創外固定の洗浄をしてくれる。札幌の水は傷の治りが早いという話で盛り上がる。シャワーの日にはどんどんシャワーで洗い流すべし
     
  2. リハビリ膝100度、夜氷で強冷却するも深夜にかけて強く病む。抵抗勢力の反抗に合う
     
  3. バイク仲間にお願いして「ベッド上セルフ膝曲げ曲げシステム」の拡張装備を買ってきてもらう。プーリー、タイブロック、オーバルカラビナ、細引き等
     
  4. 創外固定のボルト穴が引っ張られて裂けバイ菌が繁殖して膿が出て痛む状態が続く。それは骨盤創外固定の宿命のようなもので誰しもが通る道らしい。泣いても笑っても同じなら笑って正面突破だ
     赤く腫れている骨盤の創外固定器具のボルト穴の写真

*入院44日目 7月14日(木) 担当看護師 日NeNs 夜KmNs
  1. 右手首のレントゲン撮影後CDrが説明してくれる。手首頭骨の骨折の他に手首関節を構成する骨や靭帯にもダメージがあるようで、一部関節の骨が通常位置からずれてきている模様。現時点では経過観察し、痛みが出ないようならそのままリハビリ温存治療続行。痛みが強くなるなら、手術をして骨をピンで固定して再び創外固定を取り付ける方法もあるとの事。まあ今出来るベストを尽くし問題が起きたらその都度解決策を考えたらいい
     
  2. 担当のNeNs4連続日勤終了日でも明日午後から病院で会議があるという、連日数時間の睡眠で乗り切っている模様。バイク仲間の看護師によるとこの病棟で経験を積む事が最高の経験値を得る事になるようだ

*入院45日目 7月15日(金) 担当看護師 日SkNs 夜TmNs
  1. 創外固定ボルトの痛みは変わらず。
     
  2. 午後リハビリ室にMDrがみえて、膝の曲り角は煩悩を超えて108度だなと談笑していく。その通りに気合いで108度を超えるも夜抵抗勢力の反撃に遭い痛んで眠れない状態に
     
  3. バイク仲間のお見舞い、本人の希望が伝わりバイク仲間の組合内で餌を与えないようにとのお触れが回っているらしい。食塩無添加の野菜ジュースを一箱差し入れ貰う。仲間はありがたい。これから数日バイクイベントの手伝いをびっしりするらしい。
     
  4. 高校からの友人が見舞いに来る。自転車通勤をはじめて身体の調子が良いらしい。息子が修学旅行で洞爺湖に行っている。そういや俺らも木刀買ったもんだ

*入院46日目 7月16日(土) 担当看護師 日NeNs 夜BBNs
  1. 膝のリハビリ昨日の痛みが強く残り、初めからパワーダウン、95度までしか曲がらず。たかが数度の無理でも反動が酷い事を知る。以後全体の流れを考えて程ほどに攻める事に
     
  2. 空きベッドに内科の患者が臨時で入る。見るからに状態が重そうだ、部屋の空気が変わり皆会話に気を使うようになる。あらためて自分は恵まれていると思う。
  3. 夜中にカサコソ音がする。トンビライダーがだんごを食っている。今夜は一段と静かに食っていた。こっそり食うだんごは格別らしい

*入院47日目 7月17日(日) 担当看護師 日KnNs 夜SkNs
  1. 回診ADr 骨盤の創外固定について週末にレントゲンで確認した後に緩めてみたり荷重を掛けて見たりして、状態が良ければ今月末に外すかもしれないとの事、7週で確認して8週で外すか?
     
  2. ベッドの上で一日自主リハビリ、膝曲げ曲げシステムに改良を加え完成型になる。抵抗勢力をじわじわ追いつめる。
     モンキーバーに組んだ膝曲げ曲げシステムの稼動状態の写真

*入院48日目 7月18日(祝) 担当看護師 日KnNs 夜UmNs
  1. 一日自主リハビリ、退院や外出多く病院が静か。朝の3時からトンビライダーとサッカー女子ワールドカップのテレビ観戦で盛り上がる。
     
  2. 日々の日課として骨折の治りを良くする目的で超音波を当てて骨生成を促進させる治療器(商品名セーフス)を看護師さんにかけてもらっている。照射部位は下腿骨、大腿骨、手首と3ヶ所ありそれぞれ20分かけている。
     下腿骨に超音波治療器具を使っている写真 大腿骨に超音波治療器具を使っている写真
    それは骨折部位にピンポイントで照射する必要があるため、レントゲンから部位を特定し器具を装着する目印として皮膚に直接マジックで丸印を書き込んでいる。そこに超音波を当てると印が薄くなるので毎回書き足す事になる。それを単なる丸印じゃ面白く無いという「大人げない」事を言って看護師さんに顔などを書いてもらうようになっていた。
     スマイルマークの目印の写真 くまちゃんの絵の目印の写真
    最初は簡単なスマイルマークだったりしたものが、徐々に様々な顔が登場するようになっていく。それはNsの個性が出る面白いお絵描きタイムだ、今日担当の新人KnNsはアンパンマンシリーズの絵を書くのがとても上手い。
     ドキンちゃんの絵の写真 バイキンマンの絵の写真
    そしてあるとき髪型がセーラームーンになったら、目印もそれに連動した(笑)なかなか巧い絵だ
     セーラームーンの髪型の写真 セーラームーンの髪型の似顔絵マークの写真
    この髪型は評判が良くリハビリ室に笑いが溢れた。
     
  3. 隣のトンビライダー初外出、自宅に戻りバイク屋で壊れたバイクと対面してくる。フレームまで歪んでいるらしく表情が暗い

*入院49日目 7月19日(火) 担当看護師 日KnNs 夜NeNs
  1. リハビリMPt リハビリベッドに移っての膝曲げ105度を無理無く達成、抵抗勢力の反撃を考えて程々で切り上げる。目標は一日5度づつ増やす
     
  2. 日中担当KnNs 絵が上手く髪をまとめるのも上手い。シャワーで洗ってもらった後、髪を乾かしてまとめる作業まで全てしてもらっている。未だ自分一人じゃ1mmも生きられない状態にある。
     
  3. KmNs20時頃まで残業。向かいのベッドに新しく入った患者さんの手術の説明を遅くまでしていた。
     
  4. 向かいのベッドに入った患者は「睡眠時無呼吸症候群」と思われる a)50〜70秒呼吸停止 b)15秒呼吸再開 a)b)を消灯から朝まで繰り返す。呼吸再開時に爆音いびきを発する騒音発生装置。様々ないびきをかく人を見てきたがこれは横綱級

*入院50日目 7月20日(水) 担当看護師 日KnNs 夜OyNs
  1. 騒音発生装置の稼働の為完全な睡眠不足 ・・・耳栓を買う
     
  2. 手のリハビリ中寝入ってしまう、膝角度は110度クリア 日々5度の目標
     
  3. 消灯の時眠っていたので窓は開けっ放し、冷房は全開のままカーテンを閉め電気が消えていた。夜中寒さで目が覚めコールして閉めてもらう。忙しいらしく水も尿瓶もメンテなしだった

*入院51日目 7月21日(木) 担当看護師 日MsNs 夜BBNs
  1. 朝から超寝不足の一日リハビリも身が入らず110度キープ
     
  2. 日中担当新人MsNsにシャワーに入れてもらう、新人とあるが他病院からの転職で仕事ぶりに安定感がある、指導役はKmNs
     
  3. KmNs 20時過ぎまで残業、夜爆音いびきさんに丁寧に手術の説明をしていた。
     
  4. MDr 明日金曜日のレントゲンを見て骨盤の創外固定を判断し足への荷重開始時期を考える
     
  5. BBNs 徳峻別岳に登ってきたもよう、益々日焼けが進み白衣とのコントラストがシャネルズ風(笑)
     
  6. 土用の丑の日に「うな重」と「六花亭のカスタードプリン」が出た。通常の粗食系メニュー(失礼)からは考えられない豪華版だ、何か良からぬ事の前触れか?と心配になるも年に数回の特別メニューというものらしい
     特別メニューうな重の写真病院食のおまけ

*入院52日目 7月22日(金) 担当看護師 日IyNs 夜TmNs
  1. 午後のレントゲンを見て両足荷重50パーセントを傾斜台にて実施する、傾斜角度45度。股関節に適度な刺激あり。リハビリ開始時間が遅くなった事もあり膝曲げは無し
     両足加重装置に乗っている写真
     
  2. 膝曲げなしなので夜間の氷急冷も無し、しかしこれは足首だけでも冷却したほうが良かったか、夜間足裏や足先にありえない程強烈な痛みが走り飛び上がる
     
  3. 夜間右股関節に弱い鈍痛有り

*入院53日目 7月23日(土) 担当看護師 日NeNs 夜KmNs
  1. 14時30分より病院1Fロビーにて「なぎさ楽団サマーコンサート」が開催される。病院スタッフが入院患者のために年2回開いてくれるコンサート。今回で5周年になるという。軽快にルパン3世のテーマで始まったのは良かったが、終盤の曲目「ふるさと」のバイオリンの音色にやられる。被災地の光景を思い出し涙ボロボロ鼻水ズルズル。平静を装う事を諦めて病衣の袖でぬぐう。すっかり涙腺が緩くなった。心の栄養をいただいた
     なぎさ楽団サマーコンサートのポスターの写真 なぎさ楽団サマーコンサートの写真
     
  2. 傾斜台に乗り両足荷重50パーセント。膝曲げ110度

*入院54日目 7月24日(日) 担当看護師 日KnNs 夜BBNs
  1. 代わる代わる見舞い客が訪れゆったり過ごす
     
  2. トンビライダー二度目の外出、19時頃疲れて帰ってくる。外出は相当疲れるらしい

*入院55日目 7月25日(月) 担当看護師 日KnNs 夜TkNs
  1. 創外固定のボルト穴が膿んで痛む、洗浄するも内部までは開かず表面から流して週末までもたせる、創外固定の取り外しは金曜日に手術室で予定時間約40分の使用予約。部分麻酔で取ってみる。
     
  2. 向かいのベッド爆音いびきマシン絶好調、強力な耳栓も役不足だ、自分の状態は足が痛んでなかなか寝付けないも、安静にして時間が経つうち眠れるタイミングが来て短い睡眠に入る事が出来る。それを一晩に2〜3回繰り返して眠りを分割して得ているものだ、骨盤の創外固定の為仰向け以外のポジションはとれないので常に尻が圧迫され痛い状態にある、動かない事で尻の筋肉が落ちて尾てい骨周辺が圧迫され続けて痛くてかなわない、常に半分しびれたような状態にある。下手すると床ずれ「褥瘡」の危険もあり、常に血流を意識してポジションをずらす必要があり尻をもぞもぞしている。
     
    また、右手首の創外固定は既に外れているので、余計な外力が加わらないように正しいポジションに置いておく必要があり気が抜けない。変な寝相をして手首を痛めてしまうとリハビリに支障が出る。それと平行して当たり前だが骨折の足が痛い、リハビリにより癒着を引きちぎったあたりや、無理矢理曲げている膝関節や足首の関節もベーシックに痛いのだ、さらに骨盤の創外固定の腹に刺さったボルト穴が膿んで痛む。それらの要素が同期して緩まり睡眠に入れるタイミングというのは一晩のうちにそうたくさんは無い、その少ないチャンスを爆音いびきでつぶされてしまうと寝られないまま朝を迎える事になる。
     
    しかし入院生活を送る分には寝てなくても何も問題は起こらない。寝ようと思えば何時でも寝られるのだ、しかし、リハビリを施術中に眠ってしまうという事がたびたび起きた。これには困った。辛いガムを噛んだり、会話をとぎらせないようにAKB48のメンバーの名前を教えてもらって覚えたりしてみたものの根本的な解決にはならない。痛み止めと睡眠導入剤という最後の砦の手前で無駄な抵抗を最後まで続けた。

*入院56日目 7月26日(火) 担当看護師 日MsNs 夜OaNs
  1. シャワーで創外固定ボルト穴を洗浄する。傷口は赤みを増して広がり痛みも強いながら週末まで逃げ切り体制でいく
     
  2. リハビリは創外固定の痛みの為不完全燃焼状態

*入院57日目 7月27日(水) 担当看護師 日NeNs 夜KmNs
  1. リハビリ室で傾斜台に乗っている所をMDr が訪れて傾斜角60度までアップする。しかし2日後の創外固定取り外しに向けてボルト穴の膿の痛みを悪化させない為は今は膝曲げ無理しなくていいかとの話になる。膝曲げをする事で傷口が引っ張られて開き化膿が悪化するというシステム

*入院58日目 7月28日(木) 担当看護師 日KnNs 夜NeNs
  1. 骨盤創外固定レントゲンを撮り、明日取り外す事に決定
     
  2. ボルト穴の痛みで弱気なリハビリに終始する。
     
  3. 新人KnNs主導の初シャワーになる。多少時間を押しながらも無事入る。外でBBNsが監督していたもよう
     
  4. トンビライダー退院、朝の3時から語り明かす。約一月間寝食を共にして様々な話をした。それは入院生活という特殊な環境があってこそ実現した楽しい時間だった。大破したバイクは直す方向で、新たにフレームを作って部品を移植するという。買う以上の何倍も費用を掛けても復活させるその感覚は一般には理解し難い事だろう。しかしその可能性が残されている事がうらやましい。自分の相棒は今頃スクラップ置き場で鉄屑として雨ざらしで転がっているだろう、そう考えるとかわいそうでせつなくなる
     
  5. レントゲンに行っている間に向かいのベッドに入院していた患者さんが診察ついでに部屋に見舞いに来ていたようだ、名刺にメッセージが残されていた。年齢も立場もまるで違う人たちが「大怪我をした」という一点で同じ部屋に集まり垣間みた人間模様。こちらも良い夫婦の見本のような方だった。人の上に立つ人は謙虚で驕らず正直でユーモアがある。

*入院59日目 7月29日(金) 担当看護師 日IyNs 夜BBNs
  1. 朝一番9時から手術室にて骨盤創外固定除去手術を受ける。執刀医ADr 初めのボルトを外す工程のみベテランTDr が手伝ってくれる。左ADr、右TDr、まずは左側ボルト部分6か所に局部麻酔10ccを注射、左側麻酔完了後左上からボルト頭にドライバーを装着し抜き始める。同時進行でTDrが右側ボルトに局所麻酔開始する。初めのボルトは回しはじめのみ小さな痛みあり、以後抜けきるまで痛み無し、二番目のボルトは抜き始めに小さな痛みあり、以後抜けきるまで最後の皮膚の部分まで連続したチクチク痛あり、三番目のボルトは抜き始めから最後まで痛み無し、右のボルトは三本共抜き始めに小さな痛みがあって、以後抜けきるまで痛み無し。TDrはボルトを抜くのを手伝って手術室を去って行った。レンチを扱う手つきが熟練の整備工のようだった。
     
  2. 右側ボルト抜け穴の周辺壊死組織をハサミで切り取りピンセットでつまみ出しながら処置していく。麻酔が効いている為痛みは無い、一番下の穴が損傷が大きかったもよう。生理食塩水で洗浄したのち縫合する。各穴3針ずつ縫い代を多めに縫合する。穴の中の血液をふき取る為に傷口を強くガーゼで圧迫する動作が鋭く痛い、穴によってはその痛みが強く脂汗が出そうなレベル。これは全ての穴で発生した。おそらく麻酔の効いていない骨周囲部分への圧迫による刺激が原因と思われる。これが部分麻酔はずっと痛かったという感想を持つ原因と思われる
     
  3. 次に左側ボルト穴の処理、こちら側の損傷が激しく、大きく切って壊死組織を切り出し、さらに縫い代を多くとって縫合する。縫製具は3番のナイロンという言い方をしていた。穴を大きく切り開いてさらに縫い代を大きく取って縫い合わせた為、皮膚の引きつりが顕著で縫い跡が大きく盛り上がっている。それが三か所連続する方向には相当な無理がかかっている様子、しかし後日結果的に大きく切り取った方が直りが早かった。
     
  4. 縫合後、周囲を洗浄してガーゼで保護して終了となる。何事も経験だという事で施術を見せてもらった。自分の身体が切られて血が流れ出ていくのは変な感じだ、それでも時折鋭い痛みが現実である事を教えてくれる。医療も個人技とチームワークであると感じる。
     
  5. 手術終了後、即飲食OK、昼食後しばしの休憩をとってからリハビリ室に行く、手術の痛みを押して傾斜台に乗り90度100パーセント荷重で足踏み行う。痛みはあるも絶好調、腹周りが軽い
     
  6. 夜手術跡が痛むもよく眠れる
     
     創外固定器具が取れてすっきりした腹回りの写真傷外固定が取れた 

*入院60日目 7月30日(土) 担当看護師 日MsNs 夜OkNs
  1. リハビリWPt、傾斜台90度から平行棒で捕まり立ちをする。
     自力で掴まり立ちをしている写真
  2. バイク仲間の見舞い。当夜のニュースを知ってそのまま死んでしまうのかもしれないと心配をしたという、もうしわけない。

*入院61日目 7月31日(日) 担当看護師 日NeNs 夜IyNs
  1. ひと月ぶりにウォシュレットを使う。神様のトイレだね。
     温水洗浄便座に乗り移った状態の写真
  2. 院内探検に外に連れ出してもらい裏玄関で一服する。
     
  3. 手術後取り外した骨盤の創外固定器具をいただいた。しっかりした作りで結構な重さがある。一回のみ使いきりの器具というがまだ十分使えそうだ。何に使うかはさておき組み立ててモンキーバーに吊るしディスプレーする。見舞い客に状態を説明するときに重宝する。
     
  4. 無呼吸爆音鼾マンが退院した。鼾は自分では防ぎようのない事で仕方が無いと分かってはいても身体的に厳しいものがあった。それでも導眠剤を使わずに耳栓でしのぎ切り以後鼾には免疫がついた。それは怒りの感情を寛容で中和して平常心を保つトレーニングだった
創外固定
 
骨盤の創外固定器具を着けて二ヶ月過ごした
 
腹に付いた器具が邪魔をしてうつぶせにはなれず横向にもなれない。常に仰向けで寝ているか座っている状態になる。尻周りの血行が阻害され感覚が麻痺して常に痺れている。さらに尻の筋肉が落ちるにしたがって尾てい骨まわりが痛くてかなわない。俗に言う「床ずれ」の二歩手前の状態だ。タオルを丸めて尻の下に挟んだりいろいろ試してみた中で低反発素材の円座が一番活躍した。
 
粉砕骨折している右大腿骨は治癒過程で筋肉組織を巻き込む癒着を起こしてしまう。それを無理やり引き千切って動きを出すリハビリが日々続く。それは治りかけの傷口を引き裂くようなものでなかなかの痛みを伴う。しかし痛いからと手を緩めると益々癒着が強固になってしまう。
 
強制的に膝を曲げて太ももの筋肉に張力を与え痛い所を探り出し、その痛い所を「モミモミ」したり更に痛くするように攻撃を加える。傷は炎症を起こし熱を持ち腫れてくる。リハビリ後それを収める為にゼリー状の冷却材で冷やしている。
 
創外固定があるうちは膝曲げリハビリも仰向けに寝た状態で行うしかない。

そして二ヶ月を耐え、ようやくとれたと喜ぶと次に「楽しい楽しいリハビリメニュー」がまっているのだ(笑)
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