一度折れて落ちた後に再度凍った氷瀑の写真
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層雲峡の氷瀑
層雲峡の柱状節理にかかる氷柱
思い返せば2011年3月10日に山の大先輩に連れられて網走のはやぶさの滝に登ったのが最後の滝登りだった。その後の事情により再び氷に爪を立てる遊びはもうする事は無いと思っていた。しかし別件のロープスライダー構築に取り組む中で良い道具と出会い、再びその可能性を試す気持ちになった。

「駄目で元々」の心境でもう一度氷に爪を立ててみようと春から小樽の断崖に通ってトレーニングを開始した。

手探りで安全に自己確保をしながら登るシステムを考える。使用する道具と使い方、組み合わせ方とトラブルに対策を考えトレーニングを行う。そもそも氷曝に登るとか安全も無いもんだが(笑)道具を上手く使うとかなりのリスクを回避できる、ダメージも軽減できる。

層雲峡の小型の氷柱に照準を合わせてシステムを考え実験を繰り返す。可能性有りか?無しか?実際にやって見なければ判らない。見切り発車で新たな道具を導入し、岩場でトレーニングをしつつ氷の季節を待っていた。

大晦日、満を持して照準の滝に行ってみると・・・折れていた。どうやら年末の暖気で解け落ちて上部が再結氷したものらしい、自然は自然の都合で動いている。今日は近寄るなと言っているようだ

幸い他に誰もいないので柱状節理沿いに隣の滝に変更する。なんとしても白黒付けて年を越したい。
尾滝の写真
目標の隣の滝にお相手してもらう。 13時登攀開始
尾滝の裏側の写真 モノポイントアイゼンの写真
16時終了 3時間かけて5m登る事が出来た
判定は、問題はあるも可能性も有り!メインザイル二本に確保器と墜落防止器を併用し、アイスピッケルを二本づつペアにして二組4本で登った。まあ普通に見て登ったと言うより「へばりついて」「這った」というのが正しい(笑)それでも気分は空まで上っていた。攀じる写真は公開に耐えず下の写真は後日滝の裏トレーニングで撮影したもの。以下準備と顛末
下降器と墜落防止器具の写真 滝裏の実験写真
快晴の海岸断崖写真
断崖での登行実験写真
氷瀑登行実験の写真 残地無しの途中撤退実験の写真
すっぽ抜け防止に太く結んだアンカー基部の写真 ロープの繋ぎ目の写真
凍り付いたウエアーの写真 凍ったか下降器とスイベルの写真
不思議な造形をした氷の写真 滝つぼの裏側に差し込む光の写真
アイスピッケル三本で登っている写真
 一般には理解され難い系の遊び 
残地無しの下降支点に加重を移していの写真
氷瀑に繋がる二本のロープの写真
 3月18日 2016年最終アタックの終了点、春風に吹かれて断念
 結局このシーズンは7回現場に行って6回登攀。その全てが途中撤退トレーニングになった、最終形はザイル2本それぞれに確保器と墜落防止器を併用、別デバイスでVスレッド直ザイルの懸垂下降、ピッケルは2+1の形に落ち着きつつあるが未完。氷に向き合う程に様々な撤退トレーニングの重要性を感じる。

目標達成報告で締めくくりたい気持ちもあったが途中から方向が変わった。もっとじっくり向き合って理解したい気持ちが強くなった。うまい表現がわからないが、たまたま条件が良くて登れてしまうとそれは自分の為にならないとかそんな感じ、

この遊びができる人からすると「何をしょぼいことやってるんだ?」と思うはず。それ正解!しょぼい登攀能力になった身体では、超とおまわりの道を進むしか無い

超とおまわりの道でも、それが頂上に通じる可能性のある道を見つけられた事がとても嬉しい。這ってでも、ずってでも、チャレンジできる事がうれしい

もしその道が頂上直前でぷっつり途切れていたとしても行ける所まで登る。そして頂上目前からでも撤退する。決して無理をしない叩き落ちたらそれまでだ、ふりだしに戻って他の手を考える。

一般には理解され難いリスクの高い遊びを一つ始めるにあたって、同じく一般には理解され難いリスクの高い遊びを一つ中止した。
アイスクライム再開に際し冬のバイクを中止した。これは自己流いんちきリスクマネージメント(笑)

もし大晦日のチャレンジで、アイスクライムは二度と行わないと決断していたら、それについてはどのように書き記すつもりだったろう?再び登ろうという気持ちになった事を含めて黙殺したか?そうなってみないと判らない
 おまけ
屈斜路湖に現れた垂直の虹の写真
 2016年3月21日6時26分撮影
全面結氷している屈斜路湖上空に現れたバーチカルレインボー
いずれあれを登る事になる。こないだ途中まで昇ったようだ(笑)
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