8)えさしYOU
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 北海道の北のほうに北見枝幸という町があります、日本の最北端に程近いオホーツク海沿いの漁業の町です。そこに「枝幸湯」という銭湯がありました。

 北海道は夏の間、日本中から北を目指す旅人で賑わいます。俗に言う貧乏旅行をする若者達は、ホテルなど利用できるはずも無く、寝袋一つ抱えてバイクに乗って野宿しながら北を目指します。 

 町の食堂で飯を食べ、町の市場で買出しをして、町の銭湯で風呂を浴び、町の公園で野宿して、それぞれに北を目指します。

 そうした若者達が、「枝幸湯」に立ち寄るのは自然な流れでした。ある雨の夜、宿のあての無いバイク乗りの若者を不憫に思った枝幸湯の主人が彼らに一晩の宿を提供した所から全てが始まりました。

 旅人の間で瞬く間に情報は広がり、銭湯に隣接する使っていない建物の内部を開放して無料宿とする「ライダーハウスえさしYOU」の誕生となります。

 えさしYOUに泊めてもらうためには、1)枝幸湯に入ること、2)枝幸湯の閉店後の掃除を手伝う事、以上のいずれかです。

 言葉の意味合いは違うかもしれませんが、見ず知らずの旅人に一宿の宿を無償で提供するという、ある種のボランティアです。

 利用させてもらう側皆が、それぞれに掃除したりするなど自主的に管理に参加していきます。銭湯の主人の手を煩わせる事の無いように連泊する者達が皆が快適に利用していくための方法を自ら考え、ルールを決めて管理運営していくという自主管理状態になっていきます。

利用させてもらっているという感謝する気持ちをもって皆で集う場所になっていきました。

 中には「こんな汚い所に泊まれるか」とか「好き勝手にさせろ」等など、様々な人間が来る訳ですが、基本的に「来る者拒まず、去る者追わず」の精神ゆえ、いい仲間がいい仲間を呼ぶ事になっていきます。

 常識で考えればそんなことをしても「意味が無い」等と思う意見がほとんどでしょうが、様々な人々が分け隔て無く集える場所には、ベーシックな部分での人間対人間のいい仲間がたくさん集まっていきました。

 年間1000人を超える人々が宿泊していくわけけですから、管理する側の苦労は相当なものがあったと思われますが、それでも15年も続いていました。

 実はご主人の奥さんは重度の難病により長期間の闘病生活の末に、数年前に他界しておられたのです。そのご主人も、この春、脳梗塞に倒れられ、えさしYOUもついに15年の歴史に幕を下ろす時がきました。

 半身不全になったご主人は札幌でリハビリ中ですが、良くなってほしいと皆で祈っています。
5月3日に仲間が集まって「ライダーハウスえさしYOU」を撤収してきました。

 分け隔て無く「来るもの拒まず、去るもの追わず」そんな貴重な場所が一つ無くなりました。

 「がんばれ難病患者日本一周マラソン」のサポートスタッフを引き受けてくれた「のりべー」こと阿部重宣くんともここえさしYOUで知り合った仲間でした。

 「えさしYOU」の写真はフィルムに刻んであります。デジタル写真は一枚も撮ってきませんでしたので現像して、いつしかスキャン出来たら密かに掲載します。
 北に帰る渡り鳥達の日本の最終停泊地「クッチャロ湖」の写真と、えさしYOU関係のバイク仲間達の写真です。
湖面一面に広がる渡り鳥の群れの写真
 5月4日浜頓別町の「クッチャロ湖」の様子です。
鳥の群れの中で餌をやる人々の写真  北に帰る水鳥達が羽を休めています。

 白鳥は白鳥同士、鴨は鴨同士集まって行動しています。彼らにえさをやりに沢山の家族連れがきていました。
餌をもらおうと近寄ってきたメスのカモの地面を歩いている写真
 メスの鴨は保護色を身に付ける事で、外敵の目から逃れようとする方向に進化を遂げています。オスの鴨は、綺麗な飾り羽を持ってメスを獲得する方向に進化を遂げているわけですが、白鳥は両方とも真っ白という事は保護色が優先するという事なんでしょうか?白は雪の中では最高の保護色であり、また見た目にも美しいという事でしょう、

 体重が重く飛び立つのに時間がかかる白鳥にとっての脅威はキツネなどの陸上の哺乳動物です。体重が軽く直ぐに飛び立てる小さなガン・カモ達にとっての脅威は同じ鳥類の鷹や鷲の猛禽類です。それぞれの敵から身を守る為に別方向の進化をしています。
バイクに触ろうと近寄ってきた所を捕まえてバイクに乗せている写真
 
 しばらく写真を撮ってからバイクに戻って走り出そうすると、背後から子供が近寄ってくる、「おばあちゃん」に連れられたこの子は、振り返ると左足に絡みついてきた、「バイクはブゥーン」と走っていくんだよ・・・と、言って後ろで見ていたようだった、「どれ」と、抱きかかえてシートに座らせてみると、なかなかご機嫌な表情をみせている。

 母親と一緒に写真を一枚撮ってから、シートから降ろそうとすると、この子はおもむろに、人指し指でスタータースイッチを押してエンジンを掛けた!ウインカーでもなく、ライトでもなく、ホーンでもなく、迷わずスタータースイッチを押してエンジン始動させた!・・・恐るべし、将来はナナハンライダーか?
観光客でにぎわう日本最北端宗谷岬の写真
 ゴールデンウイーク中とあって、宗谷岬も賑わいをみせています。
宗谷岬を見下ろす高台にある旧日本海軍望楼の写真
 これは明治34年に建てられた旧宗谷海軍の望楼です。
船のブリッジを模してつくられており、このあたりでは明治時代の現存する唯一の石作り建築物です。当時ロシアのバルチック艦隊の防衛のために国の存亡に関わる重要な拠点となった経緯があります。

 ほんの一昔にはこの地の先で民間旅客機が戦闘機に撃墜されて乗員全員死亡といった悲惨な事件が起きている国境の岬です。時代を超えて宗谷海峡を見守り続けます。
稚内のバイク仲間のお宅での宴会の写真
 バイク仲間の宴会の様子です。焼肉をして盛り上がっています。山小屋風のつくりで、床は砂利で、車庫のようになっていて、奥に畳をひいた小上がりが有り、其の上がロフト風のつくりになっていて疲れた人からそこにあがって寝ていきます。夜半まで宴会は続きます。
由緒正しい五右衛門風呂に入っているバイク仲間の写真
 美女3人と混浴する「のりベー」のしあわせな図です。

 これはかつて漁港で、「なまこ」をゆでるのに使われていた大釜です。下から薪の直火で加熱する由緒正しい「五右衛門風呂」です。
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