9)連絡手段と通信手段
 マラソン本隊内の走行中の連絡手段と、(対話、意思伝達、通話手段)
北海道のマラソンサポート本部との通信手段についてです。(データ通信、日程予定のやり取り)
a)連絡手段について
 1)ランナーは無線・携帯その他全ての通信手段および装備は一切持たないため、ランナーとの連絡は伴走バイクが全て直接行います。

 2)伴走バイクとサポートカーとの連絡は無線機を使い、バックアップとして携帯電話を使う、

 3)各地域の道案内と、マラソン本体との連絡は、携帯電話および無線機を使う。
 
 ランナーとの連絡事項としては、主に、細かな道案内や、時間と距離の管理がありました。県庁突入時間の指示、イベント開始時間との調整、地元伴走ランナーとの合流地点、通過予定時間の調整等、ランナーの要求を随時サポートカーに伝達する等、一切の連絡を伴走ライダーとの対話から、その内容を無線機・携帯電話によってサポートカーに伝達していました。
 
 現在地点の把握という事も重要な連絡事項でした。マスコミの取材を受けるときや、各地実行委員会の方々との合流や、沿道での声援のための通過時間の予測のため等、ナビゲーションによってランナーが走っている現在地点をOO町OO丁目というような具体的な住所で伝える事が必要な場面が多々ありました。
 
 伴走バイクとサポートカーの連絡事項は、ランナーのそれと直結していますが、道すがらのガソリンスタンドや郵便局の位置を連絡するといった事や、昼食の場所確保や宿を探す時など、ランナーと別行動をとらなければならない時には、常に無線で繋がっているという状態は重要でした。

 特にトンネルの通過の再の内部や出口の情報や、工事中で歩道が無い区間で片側交互通行など、バイクが伴走できない区間などで、ランナーを見失わないために、どちらかが必ず補足している状態をお互い認識しておく事で、無用のトラブルを防いでいました。
 
 県庁訪問の時には、カメラマンを他のマスコミと一緒に突入場所に先回りさせておいて、サポートカー・ランナー・伴走バイクという順番で時間を合わせて県庁突入するといった場面で、ばらばらな場所に散ってしまっている状況でも、常に進行状態が把握出来ている事で、

 出番直前になって、「県知事が後数分遅れるから、スタートを止めて欲しい」等の際どい要求にも難なく対応できました。またカメラマンがマスコミ放列の中にいることから、具体的な走りこむルートの指示や到着後の足の進め方に至るまで、細かな対応ができました。

 各地域ごとに道案内の方々の車が同行する時にも、その車に一台無線を持たせておく事で、サポートカー・伴走バイクの通話を常に聞いている事で、状況の把握がスムーズに運びました。
 
 無線機は、当初業務用無線機の使用を考えていましたが、協賛獲得失敗により、リハーサルと同様に私物のハンディー機(電池で動く小型無線機)4台を持ち出して使用しました。
 単三乾電池二本で作動する出力230mWの小型無線機二台とバイクの12ボルト電源で作動するように改造されたツインバンド350mW機二台の計四台で事にあたりました。 

 数キロ程度しか離れる事が無いので、わずかな出力でも十分、電波到達距離の範囲でした。電波の到達距離を出た場合や、他者との混信が起こった場合には即携帯電話に切り替えて通話を確保していました。

 無線周波数の回線の混み具合が不安材料であったのですが、実際には430のメインチャンネル付近を小さく使っている分には。全国回ってみて十分使えるものでした。 

 車両同士の連絡に常に無線機の電源を入れておき、直接関係の無い話を含めて、常に対話し続けることによって、小さなミスや行き違いなどを未然に防ぐ効果がありました。
 道端の風景でこの先に何があるだとか、珍しい看板があるといったことや、ランナーは昼にうどんを食べたいと言ってます。とか、

 交差点に道案内の方が二人立っておられます。とか商店街の酒屋の店先で数人が小旗をもって待っていてくれているから、この先の横断歩道を向こう側に渡っておいた方がいい、とか、無線はフル稼働してました。
 
b)通信手段について

 1)マラソン本体と札幌のサポート本部との連絡は
  携帯電話か宿の固定電話

 2)マラソン本体と旭川の公式ホームページ作成元との通信は
  携帯電話か宿の固定電話

  データ通信はスマートメディア媒体とレポート用紙による
  速達郵便(メディアは循環させる)

 3)伴走ライダーとその札幌のホームページ作成元との通信は
  携帯電話と宿の固定電話。

  データ通信はフロッピーディスク媒体を使い
  郵送する(メディアはワンウエイ送りっぱなし)
 
 公式ホームページの作成元に送る画像データは、数日分まとめて16MBのスマートメディアに入れて、同行する事務局長の書く手書きの報告書とともに、速達郵便で送っていました。 メディアは5枚あり2〜3枚溜まったらあらかじめ先の宿に速達郵送しておき、循環させて使っていました。

 伴走ライダーのホームページ作成元へのデータ通信は、安いフロッピーディスクを買いだめしておいて、毎日1枚〜2枚ずつデータを入れて普通郵便で送っていました。

 料金は、フロッピー一枚なら80円、2枚なら重量超過で90円でした。フロッピーディスクそのものは一枚あたり30円程度ですから、一回のデータ通信にかかる費用は二枚2.8MB分送ったとして150円程度のものでした。個人で負担する金額としてはこの程度まででした。
 
 データ通信の手段は当初携帯電話をフル活用するつもりで、マラソン本体に確認したうえで、携帯電話会社に協賛のお願いをしていたのですが叶いませんでした。スポンサ−活動事態のもって行き方と、そもそもの遅れが敗因だったように思いました。

今ここで考えてる分には、40〜50KB程度の画像を一枚二枚なら携帯電話を使ってメールに添付する形で転送できそうなものですが、
 当時は困難な作業でした。通信に使うパソコンとデジタルカメラも事前にスポンサー活動で入手しておいて使い慣れておく事が出来れば、出発前に問題が解決した上でスタートできたかも知れません。
 
面白いことに当時は、携帯電話の通じない場所や宿というのが多々ありました。
 データ通信に関しては、携帯電話・PHS・郵送、と三種類全て併用するのがベストだと思います。 また、ホームページサーバーに現場から随時アップしながら進むといった事も今では可能です。 現場での連絡手段としては、コスト面や実用性からもアマチュア無線が一番でしょうね。
=== 9)連絡手段と通信手段 ===
10)サポート物資の補給は?
8)必要資材の調達方法
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