このホームページに寄せられた難病患者経験をもつ方の体験談です。

 
タイトル Re: 体験談 その1 −人間関係−
投稿者  佐藤行隆
投稿日付 2000/03/20 11:30:10
2/16から参加してる、佐藤です。

 ご存知の通り、私は難病患者です。(2/16付 投書参照。)
が、現在は社会復帰し、人並みの身体になってます。それどころか、場合に
よっては“健常者”より体力があり、(瞬発的なもの)人から難病患者に見て
もらえません。(爆)

 無論、今でも月一で外来に通っているし、病気は小康状態ですが、いつ再発し
てもおかしくないので日々の生活には気を使ってはいますが。

 …数年前迄は違いました、そう、入退院を繰り返している時は。
この場をお借りして、その時に体験した事、解かった事等を順次お話させて戴きます。

先ずは、自分を取り巻く人間関係。

 病気になってから離れていった奴、側にいてくれた人、新たに手を差し伸べて
くれた人、様々。

 よく、“逆境に立った時に始めてわかる。”って云われているけど、本当にそう。
今は、“真の絆を見つけられて良かった”って ある意味病気に感謝してますが、
当時は少し少し卑屈になりました。

 健康時と違い、何事にも無理は出来なくなった事とか、薬の副作用で外見が変
わった事で、徐々に知り合いが離れて行くのを見て、“まあ、その程度の付き
合いだから。”って頭では分かっていても、割り切れないものを感じていました。

 苦笑したのは、今の元気な身体を取り戻したとたん、それまで離れていた人間
が戻ってきた時。“元気になって良かった!心配してたんだよぉ。” てね。
『 ふーん、あっそ。』って感じでした。(笑)

 でも、幸運な事に、かけがえの無い人達である親友、両親をはじめとした家族
がいてくれたので、寂しいとか、不安に感じる事は全く無かったです。
私が入院すれば、何処で聞きつけたのか必ず親友が見舞に来てくれたし、(嫌
味にもバイクで!)家族が入れ替わり面倒みてくれました。

 家族に関しては、日々の世話(見舞い)だけでなく、将来の事をも考えてくれ、
東奔西走してくれました。

 そんな人達の愛情に答えるには、自分が一刻も早く元気になり、その人達を安心
させる事だと気付き、発病当時に持った人間関係への卑屈な考えを捨てる
ことにしたのです。

 その事に、病気というきっかけで知る事ができたのは幸せに思っているし、
今後の人間関係の糧に為ったとも思ってます。

 確かに自分の外側だけで付き合っていた奴には多少の怒りを覚えましたが、
自分が健常者だったときの事を考えたら、有る意味当然かもしれません。

人って万能では無いし、損得勘定で付き合っている部分だって有ると思うから。

 だから今は、損得勘定で付き合う人達を非難するのではなく、その中でどれだけ真
の絆を見つけられるかって云うのが、僕の人生の重要な課題だって信じて疑いません。

 私と同じ境遇で、若し、人間不信に陥っている方々がいらっしゃったら、
生意気を承知で申し上げたい。

 “ 誰も愛してくれない。” 的な考えは決して持たないで下さい。

 必ずいます。それが親であったり、兄弟であったり、恋人(伴侶)であったり、
知り合いであったり、なにとて必ずいます。

 その方々の気持に是非とも答えてあげて下さい。手段は生きようとする意志を
持つ事です。

 若し、どうしても答える気持になれなくても、無理にでもそうして下さい。
方法は色々有ります。例えば、弱気な自分自信に対して罰則を決めてみるとか、
考え過ぎの自分自信を騙してみるとか、それぞれ自分にあった方法でやってみて下さい。

 因みに僕は、弱さが出てこようとしたら、心の中で弱気に喧嘩を売ってました。

「ふざけんな。」って。

 唯、この場合決して他人にはそれを出さないで下さい。誤解されて本当の喧嘩
になります。(爆)

 自身が強い意志を持ち続ければ、自ずから道は開けます、どんな形であれ。
とにかく、頑張って生きていきましょう。

クサイですが、僕の心からの願いです。

 

平成12年3月20日

佐藤行隆

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