北海道の北部を日本海沿いに通称オロロンラインを北上していくと、稚内市のノシャップ岬の手前に「無事カエルロード」と名付けられた道が現れます。
それは道路標識のような立派な看板が掲げられた公式に命名された道のようです。沿道には沢山のカエルのオブジェが道行く人々に無事帰るようにと交通安全を呼びかけている不思議な道です。
オブジェは漁業用のプラスティック製の浮きを利用したもののようですが、そもそも無事カエルロードとはなんでしょう? 道々254号
坂の下から富士見町までの約5kmの「無事カエルロード」を行ったり来たりしながら写真を撮っては地元の方にお話を伺いました。
・・・始まりは沿道に暮らす一人の方が退職を期に交通安全を願う気持ちでオブジェを作りディスプレーしたことが広がっていったという事です。 |
発起人ともいうべき方に話を伺うと、希望するとオブジェを分けてもらえるそうです。そうして各自がそれぞれディスプレーをして管理する事で交通安全を願う輪が広がっていくのが目的のようです。
既に約800体以上のオブジェを作っていて数は増えているそうです。いまでは本州からもオブジェを貰いにくる人もいるそうです。
また、数年前より町の環境美化という事で町のゴミステーションにも無事カエルくんが鎮座するようになりました。おかげでゴミ出しのマナーが向上してきれいになったそうです。 |
最初はカエルのオブジェだけを作っていたそうですが、「ほかのキャラクターも作ったほうが子供が喜ぶよ」との声を受けて様々な馴染み深いキャラクターのオブジェを作るようになったそうです。
沿道に並んでいる無事カエルくん達はそれぞれの貰い手が管理しています。雪が解けると沿道にディスプレーして、雪が降る前に仕舞われます。 |
日本中に進出している |
オブジェは壊れたら補修して色を塗ったりしながらそれぞれに管理してもらいます。オブジェ達は無事カエルロード周辺に限らず、全北海道や全国に広がっているとの事です。
話を伺っているうちに「バイクじゃなきゃあんたにも持たせてあげるんだけどね〜」との話が出るほど気さくな方でした。
オブジェたちはそもそもが海で使う漁具の浮きですから風雨や太陽の直射を受けても良いように耐久性のある素材で出来ています。
たまに色を塗って強風にも飛ばされないようにしっかり固定していれば、あまり手のかからない所が長く支持される秘訣なのかもしれません。
例えば「かかし街道」のオブジェのように人が着ている服装を身にまとっているようなオブジェの場合は、雨風や紫外線の直射でオブジェが痛みやすい事が容易に想像つきます。
それを良い状態に保ち続けるのは手がかかりそうです。プラスティックの浮きの形をカエルの顔に見立てて加工する発想もユニークですし、うまく加工に適した良い形をしています。
それぞれのオブジェの表情は愛らしくもあり可笑しくもあり親しみのもてるオブジェです。 |
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