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 この稲刈りマシンは「刈り取り」と「脱穀」という二つの作業を同時に行うのでコンバインというらしい。 マシン先端の刈り取り部分で刈り取られた稲穂は、ベルトコンベア式に車体中央部の脱穀部で脱穀分離されて、穀粒が上部タンクに貯蔵され、ワラ屑は刻まれて外に排出されます。

 上部タンクに貯蔵された穀粒は、自由落下式に下に取り付けられた専用袋に溜まっていきます。穀袋(籾袋もみぶくろ)が一杯になったら袋のジッパーを閉じて取り外し、田んぼの端に降ろします。替えの空袋を取り付けて刈り取りを再開します。

 籾の一杯詰まった籾袋は30kg以上の重さがあります。それを担いであぜ道を歩き、トラックに積み込み納屋まで運んで、袋のジッパーを開いて大型乾燥機に投入します。あとは乾燥機の設定通りに一定の水分量になるまで自動的に乾燥されます。

 実際にやってみると籾袋を運ぶ作業は腰に堪える重労働です。小規模農家の高齢化が深刻な理由が少しわかりました。とくに機械の入り込めない狭く小さな棚田をたくさんかかえる農家ではその労力の大きさが想像されます。

 機械化が進んだ現代の農作業でさえ、一部重労働に感じるくらいですから、かつて全て手作業で行っていた農業は全部が重労働だったのでしょう。

 そんな厳しい農作業に明け暮れる日々の中で、唯一祭りの時だけはそれを忘れ開放する。普段の暮らしが厳しければ厳しい程、祭りの時は「はじける」「激しくはじける」そういう風習が残っているのではないかと想像します。
 
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