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 破れたチューブを手にバイク屋を探していると、夏休み中の女子高校生三人組に出会いました。彼女らはお菓子を抱えて街中のカラオケ店に繰り出す所です。事情を話してこの町にバイク屋さんは無いだろか?と聞いてみた所、なんとなく判らない感じながら、それでも記憶を手繰る会話をしている二人・・・、その後ろで電話をかけている子がいる。ん?近所の車のディーラーに勤めている父さんに電話をしていた。・・・話が大きくなる方向に動いている(笑)

 とりあえず彼女のお父さんに会うために、破れたチューブをぶら下げて付いていく。ディーラーの裏口からお父さんが出てきた。表情が暗い、案の定バイクの修理は引き受けられない旨の話を始めたので、遮るように明るく、「お願いしたいのは替えのチューブを売っているバイク屋さんを教えてほしいのです。」と、裂けたチューブを差し出した。

 すると表情が緩み、方言丸出しで「役場の場所はわかりますか?」と聞いてきた。ん〜役場はわかりませんが、・・・と困った所に娘が助け舟を出してきた。早いテンポの親子の会話で、あ〜あそこね、とわかったようで、方向が一緒だから案内してくれることに、娘に頼られた父の面目をつぶさずによかった。・・・破れチューブの旅が続く事に、

 焼け付くような鹿児島の太陽、うだるような暑さの中、彼女らの方から流れてくる爽やかな風に引かれるように付いて行く。歩きながら話をした。九州の話、北海道の話、気に入りのお菓子の話、学校の話、修学旅行の話、卒業しても地元に残る話、・・・ここの風土は素直な心を育むらしい。

 キョロキョロしながら町を歩いていると「特攻碑公園」という看板が目に留まった。聞いてみると、子どもの頃から遊んでいる公園で春に桜がすばらしいらしという。修理が終わったら行ってみよう。
 
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