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北海道の北のほうに北見枝幸という町があります、日本の最北端に程近いオホーツク海沿いの漁業の町です。そこに「枝幸湯」という銭湯がありました。
北海道は夏の間、日本中から北を目指す旅人で賑わいます。俗に言う貧乏旅行をする若者達は、ホテルなど利用できるはずも無く、寝袋一つ抱えてバイクに乗って野宿しながら北を目指します。 町の食堂で飯を食べ、町の市場で買出しをして、町の銭湯で風呂を浴び、町の公園で野宿して、それぞれに北を目指します。 そうした若者達が、「枝幸湯」に立ち寄るのは自然な流れでした。ある雨の夜、宿のあての無いバイク乗りの若者を不憫に思った枝幸湯の主人が彼らに一晩の宿を提供した所から全てが始まりました。 旅人の間で瞬く間に情報は広がり、銭湯に隣接する使っていない建物の内部を開放して無料宿とする「ライダーハウスえさしYOU」の誕生となります。 えさしYOUに泊めてもらうためには、1)枝幸湯に入ること、2)枝幸湯の閉店後の掃除を手伝う事、以上のいずれかです。 言葉の意味合いは違うかもしれませんが、見ず知らずの旅人に一宿の宿を無償で提供するという、ある種のボランティアです。 利用させてもらう側皆が、それぞれに掃除したりするなど自主的に管理に参加していきます。銭湯の主人の手を煩わせる事の無いように連泊する者達が皆が快適に利用していくための方法を自ら考え、ルールを決めて管理運営していくという自主管理状態になっていきます。 利用させてもらっているという感謝する気持ちをもって皆で集う場所になっていきました。 中には「こんな汚い所に泊まれるか」とか「好き勝手にさせろ」等など、様々な人間が来る訳ですが、基本的に「来る者拒まず、去る者追わず」の精神ゆえ、いい仲間がいい仲間を呼ぶ事になっていきます。 常識で考えればそんなことをしても「意味が無い」等と思う意見がほとんどでしょうが、様々な人々が分け隔て無く集える場所には、ベーシックな部分での人間対人間のいい仲間がたくさん集まっていきました。 年間1000人を超える人々が宿泊していくわけけですから、管理する側の苦労は相当なものがあったと思われますが、それでも15年も続いていました。 実はご主人の奥さんは重度の難病により長期間の闘病生活の末に、数年前に他界しておられたのです。そのご主人も、この春、脳梗塞に倒れられ、えさしYOUもついに15年の歴史に幕を下ろす時がきました。 半身不全になったご主人は札幌でリハビリ中ですが、良くなってほしいと皆で祈っています。 5月3日に仲間が集まって「ライダーハウスえさしYOU」を撤収してきました。 分け隔て無く「来るもの拒まず、去るもの追わず」そんな貴重な場所が一つ無くなりました。 「がんばれ難病患者日本一周マラソン」のサポートスタッフを引き受けてくれた「のりべー」こと阿部重宣くんともここえさしYOUで知り合った仲間でした。 「えさしYOU」の写真はフィルムに刻んであります。デジタル写真は一枚も撮ってきませんでしたので現像して、いつしかスキャン出来たら密かに掲載します。 |
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北に帰る渡り鳥達の日本の最終停泊地「クッチャロ湖」の写真と、えさしYOU関係のバイク仲間達の写真です。
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現在地点===「燃焼室」趣味の部屋 8)えさしYOU |
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