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この企画は、不遇な立場におかれている難病患者とその家族を激励するために、一人のランナーが、日本中の都道府県を訪ね歩き、知事に面会して要望書を手渡し、最終的に国会と厚生省に行って厚生大臣に会いに行こうというものです。 私は、不遇の交通事故に遭い、それにまつわってたくさんの人たちに御世話になったことに対する恩返しのつもりで、縁有って参加させて貰うことになりました。伴走ライダーとして、全行程6200kmランナーにぴったり付き添います。 全国6200kmの旅の始まりは、日本の最北瑞、北海道は稚内宗谷岬です。7月25日嵐の宗谷岬を出発しました。 この時期の北海道は、ツーリングライダーの季節。思い思いのスタイルで旅人たちは、北の大地を駆け抜けていきます。水平線まで続く直線道路と、ぬけるような青空を思い描いてやってきている最近増えてきたアメリカンなスタイル。ライトな彼らの装備には、この雨はこたえるだろう。自然とは究極の平等なんだ。森の木々や、キツネや鹿と同じく雨を受けている。雨が染み込んだその身体には、太陽のぬくもりと、人のやさしさの暖かさも、染み込みやすくなっているんだ。10度そこそこの気温と冷たい雨にたたかれ、背中を丸めて足速に行き交う彼らも、合図を送ると元気よくピースサインが返ってくるところを見ると、心の中はきっと快晴なんだな。マラソン隊は北海道を出るまで雨にたたかれっぱなしで、おまけに集中豪雨で橋や道路が決壊するなどの被害か出る中の強行軍となる。合羽の中は、きのこの栽培に最適な環境に常に保たれる。8月に入り津軽海峡を渡りいよいよ本土に上陸すると、今度はうって変わっての、からからの猛暑に連日連夜見舞われる。伴走バイクは時速一桁kmで走行する一速アイドリング+アルファーてなぐあい。上り坂では油断するとすぐエンストを起こす。普通バイクはそんな速度域で朝から晩までちんたら走る様には造られていないので、ガソリンがタンクの中で煮立ってくる。もちろんタンクや金属部分には熱くて触れない。電動ファンは廻りっぱなしで、その熱気が太股のうち側と全身に覆い被さる。ハンドルに取り付けた温度計は、52度とふざけたことを言っている。 一日に500のペットボトルが、8本分ぐらい喉を通る。それでも走っているランナーよりは、ずっと楽だとヘルメットの中の溶けかけた脳味噌にいいきかせながら、遅乗り競争をしています。秋田県庁では、地元のハーレーのクラブかパレードのような伴走をして送り迎えしてくれました。それはすべてサイドカーとトライクの集団で年輩の方々が、制服でびしっと決めたそのスタイルには、正直始めちかよりがたいものがありましたが、話を聞くと、慈善活動の盛り上げ役として、それぞれ仕事も休んで手弁当で、駆けつけてくれたそう。入念な打ち合わせをして、圧倒的迫力で見事な隊列を組んで目立つべき所を、すどどどどっと。やったと思ったら、引き際は、「かんばれよ!」と言い残し風が吹き抜けるように去っていく。なんとも気持ちのいい人たちでした。つまらない先入観の心を恥ずかしく思う出来事でした。 以上初レポートでしたが、粗末な内容ですみません。個人的にもサポートしてくれる人のおかげで難病患者に限らず外で旅をすることができない人のために、日本一周の旅を感じてもらえるようにと、ライダー真吾のホームページを開設しています。PCをもっている人は、プリントして動けない人に見せてあげてくれるとひじょうにうれしいです。 |