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カーボンブラシとスプリングと受け金具のセットを入手しました。カーボンブラシには組み込むための長い銅の針金が付いています。これは製造ラインの機械で組み立てるためのデザインではないかな? |
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2)
新品のカーボンブラシと比較してどれだけ磨耗しているかを調べてみると・・・約4mm程短い事が解りました。
12万キロ走行して4mm減ったという事は、単純計算では3万キロ走行あたりに1mm減るという事ですが、実際にはブラシが減るほどスプリングの押し付け力も減っていくので正確な所はわかりません。特にスプリングの押し付ける力とブラシとスリップリングとの電気的抵抗そしてその時のブラシの磨耗率には微妙な相関関係があるはずです。
もしそれを開発している人に語らせたら何時間でも語れるんでしょうね(笑)・・・以前、居酒屋で洗濯機の水流について3時間くらい語りを入れられた事がありましたがとても面白い話でした、今だに洗濯機を見ると「ダブル滝洗い」というフレーズが頭の中で回転を始めます(笑) |
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3)
カーボンブラシは通常整備的に着脱出来るように作られてないので、まずはどうやって外すかが第一関門です。相手はプラスチック製の部品ですから無理な力を加えて壊してしまっては元も子もありません。
慎重に作業を進めるために電動ドライバードリル用のビット付きの2mm径のドリル歯を購入しました100円也。ちなみにレギュレターアッセンブリーで2万円近くします! |
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4)
ブラシホルダーを傷付けないように電動工具は使わずに手でクリクリ回して少しずつ削り進みます。カーボンブラシは非常にやわらかいので簡単に削れていきます。
貫通させるべきブラシホルダー底部にある電極管の内径より少し細いサイズということで2mm径のドリルを使いましたが、カーボンブラシを削り取る作業だけに限定するならもう少し太くてもいいように思います。 |
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ブラシが削り落ちた瞬間にスプリングが飛び出してくるかと思いきや、ブラシホルダー底部のスプリングのロアーマウントにあたる部分に細工がしてあり、スプリングがねじ込まれる形で仮固定されているので、不用意にスプリングが飛び出してくることが無いようになっていました。細かい部分ですが良く作られています。スプリングを回して取り外します。 |
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6)
カーボンブラシの電極線はホルダー側にセットされた受け金具に半田付けされています。さらに良く観察すると半田付けされる前に金属管を潰してカシメてある事が解ります。つまり半田を取っただけではカーボンブラシは抜けてこない可能性が高いです。
電極線の取り付け基部はレギュレターの直近にあり熱も外力も極力加えないように作業を進める必要があるので、歯の鋭い新品のドリルを使って正面突破を図ります。ブラシホルダー内には半田が乗ったブラシの電極線が残っていてドリルの動きを邪魔します。そこでパーツキットに付属の電極管をドリルガイドに使って少しずつ中心部を削り進みます。 |
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貫通する寸前になったら、後で作業がしやすいように若干手前に穴を振って貫通させます。電極管をガイドに使っているのでブラシホルダー内でドリルの刃先を振ってもブラシホルダーを傷める事がありません。また、もともと付いている電極管を再利用するので、キット付属の電極管は使いません。 |
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ブラシホルダー部内の底部や側面を傷めないようにど真ん中を打ち抜きます。ドリルが貫通した先にはレギュレターがあるので少しずつ慎重に切り進めます。貫通穴を修正して内部を清掃して次の作業に入ります。 |
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9)
新しいカーボンブラシに新しいスプリングを組み込んで部品を作ります。キット付属の受け金具は使いません。カーボンブラシの取り付け金具の針金をブラシホルダー内の貫通穴に通します。このときあらかじめ針金を曲げて挿入してレギュレターをかわします。スプリングを縮めながらカーボンブラシを定位置まで挿入します。 |
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10)
カーボンブラシのスムーズな動きを確認してからブラシを定位置に落ち着けて抑えながら、先の細いペンチで電極管を挟んでカシメて仮固定します。 |
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11)
念のためカーボンブラシの配線にかかるスプリングの力を抜いてから半田付け作業を初めます。半導体製品のレギュレター本体はとても熱に弱いので電極から熱が伝わらないようにバイスクリップやヒートシンク等を使って熱対策を施します。
コンセントを入れる前の半田コテでリハーサルをしてから、一回で半田を決めます。右からレギュレターの端子を挟んでいる金属工具とカーボンブラシを押さえている樹脂製クリップは100円ショップで調達です。 |
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12)
カーボンブラシを外す作業は、レギュレターをしっかり固定してドリルを垂直に使って切り進んだほうがうまくいくことがわかりました。 |
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13)
きれいに中心部を打ち抜くとカーボンブラシは壊れる事無く外す事ができました。 |
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ブラシホルダー基部の電極を打ち抜く作業は、ドリルの軸にガムテープを巻いて軸を太らせて力が入りやすいようにしてから、ゆっくり切り進むと確実に中央部を打ち抜く事ができました。 |
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15)
ドリルは2本とも100円です。どっちでもたいして変わらないだろうと思って作業してみると、電動工具用に作られているドリルのほうが明らかに良く切れることが面白い部分でした。
機能を失った部品を捨ててしまわずに、消耗した部分だけを交換修理して部品そのものの機能を回復させる事をリビルトと言います。一般に再生部品とかリビルト部品というものです。新品部品の品質はありませんが、解って使う分には十分です。
つい作業が面白くなってしまい、さらに部品を手に入れてもう一個リビルトレギュレターを作ってしまいました。(笑) |
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