83)元旦宗谷岬ツーリング2010(その七)_140)
新たな心境が見えてきた2010年始まりの旅でした
 今年はバンクーバーオリンピックを見るのに忙しく、ホームページのアップが大幅に遅れてしまいました。・・・というのは半分正しくて、 元旦宗谷の旅は年々容量が大きくなる一方で、そのまとめに四苦八苦しているというのが半分、自ら負担を増して誰に向かって何を言いたいのか?

 それはいずれバイクで駆ける事が出来なくなった未来の自分に対する、「もう降りろ」とか「無理をするな」とか「諦めろ」というメッセージなのかもしれない。

 第10エンドでやられないように早い段階からフリーガードゾーンにガードストーンを溜めている状態かも(笑)・・・カーリング女子クリスタルジャパン!ロシア戦は凄かった!

 かつて、モスクワオリンピックは西側陣営がボイコット、次のロスアンゼルスオリンピックは東側陣営がボイコット、そんな暗い時代も乗り越えて、歴史を刻む平和の祭典オリンピック。

 どちらかというと夏のオリンピックよりも冬季五輪が好きだ、それは冬季五輪が開催された札幌に生まれ育ったという事もありますが、根本的な部分として雪と氷を相手にスピードとバランスを競うことそのものが面白く好きだ。
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 子供の頃は月寒体育館の近所に住んでいた。月寒体育館は五輪のスケート競技会場として建てられたものだ、当事小学校ではスキー学習とスケート学習の両方があった、子供らは放課後になると各自スケート靴を持って月寒体育館に集合して、「子供は帰りなさい」と放送がかかるまで遊んでいた。

 スケート靴には「ホッケー」「フィギア」「スピード」「ハーフ」と4種類あった。
「ホッケー」はアイスホッケー競技用、刃に厚みと丸みが有り、運動性と旋回性に優れていた。「フィギア」はフィギア競技用、刃先にギザギザがついていて氷の上を真っ直ぐに走る事が出来た。「スピード」はスピードスケート競技用、刃が包丁の刃のように鋭く長い、月寒体育館では禁止されていた。「ハーフ」は、よくわからない?汎用とでもいうものか?刃が厚くスピードスケートもどきといった所か?

 男子は「ホッケー」女子は「フィギア」と相場がきまっていた。まれに「フィギア」を履いている男子はいじめられていた(笑)

 女子はリンク中央でクルクル回っていた。クラスで人気の女子はスケートも上手いのだ。そんな女子の気を引こうと男子は目立とうと必死だった。

 スケートリンクをただ周回して滑っていても面白く無いので 当事流行の東京ボンバーズのまねをしてすり抜け競争したり、ホイップをしたり、他愛の無い鬼ごっこをして遊んだものだ、しかし、それらは全て、スケートリンクを巡回している監視員に見つかると怒られるのだ、必然として子供達の敵は監視員になる。

 中でも憎たらしい叱りかたをする監視員に腹をたてて、「やっつけてやるべ」という事になり、一周して加速しては一箇所で急ブレーキを掛けてエッジで氷を削り、皆で協力して削りカスを沢山集めて硬い雪球を作り、ばれないように隠し持って監視員と対角になるようにコースを滑りチャンスをうかがう

 日頃から除雪の雪山を掘って基地を作っての本格的な雪合戦をしたり、屋根の下の氷柱を雪玉をぶつけて落とす競争を登下校時の日課にしているので、子供ながら雪玉の命中精度はなかなかのものだった。

 チャンスを狙って「せーの」で一斉攻撃、見事命中させるとヒーローになれた。オレンジ色のジャージを着た監視員は赤鬼の形相で追ってくる。「やばい、逃げろ!」とクモの子散らしたように逃げる逃げる、監視員の靴はハーフと呼ばれるスピードスケートのような形の浅い靴に長めのストレートの刃が付いているものだ、直進性は良いが旋回性は悪い、対する子供らの靴はホッケーだ、

 たとえ相手が大人でもハーフの靴でホッケー小僧を捕まえられる訳が無いのだ、それを判った上での確信犯だ、日々鬼ごっこで逃げるトレーニングを積んでいる成果が存分に発揮される。 それでもどんくさいやつが捕まって、皆を代表して事務所でこっ酷く叱られていた。
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 女子はフィギアでリンク中央でくるくる回って優雅に遊んでいる。そこを縫うように鬼から逃げるのだ、ぶつかれば危ないから怒られて当然なのだけど、子供には通用しない。

 リンクの上で転ぶととても痛いものだ、氷は硬くて冷たい。ぶつけた所は紫色に内出血を起こして痛みが続く。膝をぶつければ痛くてしばらくまともに歩けない。顔をぶつければ皮膚が剥けて血がにじむ。後ろに転んで頭を打てば脳震盪で目が回る。

 特にフィギアスケートは見た目の華やかさとは裏腹にとても危ないスポーツだ。一瞬のミスで選手生命を断ってしまうような大怪我をしてしまう。フェギアスケートの中継を見るときには、ジャンプのたびに力が入り息を止めて見てしまう。とにかく転ばないで着地してほしい、祈るような気持ちで見入ってしまう。

 今回のバンクーバー五輪、男子フィギアの高橋大輔選手はえらい!前十字靭帯断裂、半月版損傷の重傷を負い、手術とリハビリによって復活してきての銅メダルだ。 しかも4回転ジャンプに挑戦している。

 もし着地に失敗して、また靭帯断裂をしてしまえば、その瞬間選手生命は絶たれてしまう。人生を掛けての挑戦だ、メダルが獲れてほんとうに良かったと思う。

 しかし競技である以上、より早く、より難しく、という方向に進むのは仕方ないものとしても、それに伴うリスクがあまりに高くなりすぎると、本末転倒になる。人々が幸せになる為の平和の祭典で、選手が亡くなったり、大怪我をしてしまっては辛すぎる。

 メダルメダルと騒いで選手を追い詰めて壊してしまうような事をしてはならない、たとえ実力が世界には及ばないとしても、それぞれに人生を掛けて戦ってその舞台に立っているのだから、

 こんな時代だからこそ、メダルの可能性にかかわらず、もっとたくさんの競技をテレビ放送してもらいたかった。そんな事を考えながらWebページを作っていました。
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