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83)元旦宗谷岬ツーリング2010(その四)_73)
浜頓別のクッチャロ湖で白鳥をかまって一休み。 ここにいるのは「コハクチョウ」
 クッチャロ湖は国指定の鳥獣保護区
 クッチャロ湖はサハリン経由でシベリアと日本を行き来するコハクチョウの日本最大の中継地になっているようです。20年程前から河川の改修等で周辺環境が変わり、本州に渡らずにここで越冬するハクチョウが出てきたようです。

 その越冬組が悪天候等で餌を採れずに餓死する姿を見かねて給餌を始めた事で越冬数が増え出し、最近では数千羽のコハクチョウがここで給餌を受けながら越冬しているそうです。

 野生動物に給餌を行う事については賛否ありますが、人々が文明を持つ以前より脈々と続いていた、全地球規模で動いている気候、生態系の歯車を、僅か100年程の無軌道な生産活動で狂わせてしまった以上、自然は自然、カラスの勝手でしょう、というわけにはいかない現実があります。

 既に地球環境に回復不能なダメージを与えてしまった事は誰しも薄々は気が付いている事です。

 湿原の生態系の最上位のハクチョウは、その存続の為に沢山の自然環境を必要とします。 20年以上生きるというハクチョウを観察する事は自然環境を長期的に観察する事に繋がっています。

 この先さらに異常気象の振れ幅が広がって、ありえなかった異常事態に直面した時、野生動物は逃れる術がありません。 種の存続に関わる程の重大なダメージを受けてしまう事も考えられます。

 そんな予期せぬ事態のバックアップとして、ある程度のハクチョウを保護しておく避難所のような場所が必要だと思います。
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