2:ゴールまで2km ゴールタイムリミットまで残り 12分54秒 |
〜〜〜 一本杖スキーへの思い 〜〜〜
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いまから500年前の北欧の冬、雪に覆われた大地を古式スキーに乗って自在に滑走していた「グスタフバーサー王」 その姿を想像する事から始めた一本杖スキーへの取り組みでした。失敗を重ねるうち、いつしかフルコースのスキーマラソンで通用するものになりました。
それは現代の効率や利便を追求する考えからは決して辿り着けない領域、アンバランスのバランスや不都合の好都合といった説明の難しい領域に気が付いた時に打開の光が見えたものです。
恐らく自分が研究して編み出したと思っている一本杖走法は、実は自分が編み出したものでは無く、その道具の必然から導かれるように、500年前の滑りに辿り着いたものと思われます。 10年間必死で追いかけて、ようやく500年前の「グスタフバーサー王」に追いついたものです。
今回をもってFIS公認大会ではもう走る事が出来なくなってしまった事がとても残念です。なぜ?まるで一本杖スキーを排除するかのようなルール改正がされたのか?とても興味があります。しかしそれを知った所で結果に違いは無いので特に触れないでおきます。
これで全てを封印してしまうつもりはありません。アンバランスのバランスについてもう少し研究を続けたいと思います。 いつか本物のバーサーロペットを一本杖走法で走ってみたい。そんな密かな夢は今日のゴールを持って消滅します。
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ここで一本杖スキーの動作について説明しておきます。それはクラシカルのダイアゴナル走法の片側1ストロークを分離したものを想像すると判り易いかもしれません。
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一本杖スキーの動作解説
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1)蹴り足の雪面を捉えるストローク量を増やすため滑走軸足の膝を曲げて、蹴り足の支点股関節の位置を下げます。 |
2)体軸重心前方まで摺り足で推進軸足を進め、膝と足首を柔軟に使い雪面を捉え加重しつつ手前に引き寄せ後方に蹴り出し推進力を発生させる。 |
3)2)と同時に一本杖を前方に振り出す反力で蹴り足が発生させる体軸横回転モーメントを吸収相殺する。 |
4)2)と同時に滑走スキーの加重を抜いて蹴り足に加重し、蹴り切った瞬間蹴り足の加重を抜き滑走スキー軸一本に乗る。 |
5)滑走軸足をニュートラルポジションに戻し全加重と推進力を受け止め滑走する。 |
6)体軸斜め前方の一本杖を突く方向に重心を配分して一本杖の突き出し反力に備える。 |
7)前方に振り出した一本杖を体軸前方雪面に突き、カヌーを漕ぐパドルのように手前に引き寄せ後方に押し出し推進力を得る。 |
8)7)と同時に後方に蹴り出した蹴り足を前方に振り戻す事で、一本杖推進が副生する体軸横回転モーメントを吸収相殺する。 |
9)滑走軸の加重配分を限りなく100に近付けコントロールし滑走を持続する。 |
以上1)2)3)4)5)6)7)8)9)までの一連の動作を繰り返す。必要に応じて滑走スキーと蹴り足スキーを左右履き替えて筋肉疲労のバランスを調整する。 |