23)支笏湖一周カヌーツーリング2002(前編) |
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2002/5/24〜25 |
北海道を代表する湖の一つ支笏湖をカヌーで巡ってきました。 途中上陸してキャンプしながら二日かけて時計周りで湖畔を一周して来ました。海とは違い、湖には単調なイメージがあったのですが、
実は変化に富んだ表情がありました。 |

1)
カナディアンタイプの16フィート(全長約5m)のカヌーに 一泊分の酒や食料、キャンプ道具を一式積み込んで、支笏湖畔モーラップキャンプ場よりスタートします。前方に見えているのは「風不死岳」(フップシたけ)です。
カナディアンカヌーはオープンデッキカヌーとも呼ばれ、このタイプは乗員二名でも使えます。推進力は通常シングルパドルという片面に水をとらえる板状のブレードを備えた櫂(かい)を使って漕いで舟を進めます。川下りに使えるように回転性のよい船体は直進性が悪く、真っ直ぐ進む為には常にパドルでコントロールしている必要があります。 |
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2)
左の台形状の山が樽前山(たるまえざん)で、右がスタートの時より見えている「風不死岳」(フップシたけ)です。樽前山は現役の活火山で、山頂部は大爆発で吹っ飛んで、陥没した後にさらに溶岩が盛り上ってきたカルデラ形状をしています。
オープンデッキカヌーは波風に弱く、特に横風横波を受けると簡単にひっくり返ってしまいます。今回はトレーニングの目的もあってこの道具で旅をしています。 |
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3)
右に見える山が恵庭岳(えにわたけ)です。
カヌーにつんである二つのオレンジ色の防水バッグの中に、テントや寝袋、鍋釜、ガスコンロ、食料などが、パッキングされています。カヌーの右には予備パドルも装備し、後ろには予備のライフジャケットや排水ポンプ、牽引ロープなどを装備しています。 |
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4)
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5)
「風不死岳」(フップシたけ)の近景です。山腹の深い沢にはまだ残雪が見られます。 |
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6)
恵庭岳(えにわたけ)の山腹にも残雪が見られます。ちょうど西の方角から雲がやってきて恵庭岳の山頂を覆っています。周辺は時折強い雷雨にみまわれていました。 |
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7)
湖ぎりぎりまで木々が押し寄せています。 水面下には魚の姿もみられます。支笏湖は日本でも有数の透明度をもった美しい湖です。それは寒冷な気候による所が大きく、水温は夏でも低く、浸かっていると手足がしびれるほどです。 |
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8)
出発地点のモーラップキャンプ場を振り返った図です。 すでに視界の範囲を超えています。 |
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9)
一段と強力な雲が西の方からやって来ました。雷雨の範囲が湖の端から徐々に迫ってきます。それに伴い風も強くなってきました。 |
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10)
カナディアンカヌー(オープンデッキカヌー)はとても風に弱いので早めに一時上陸して突風と波をやり過ごします。ついでにゆっくり昼飯をとります。
湖周辺の山岳地形を回り込む突風やその巻き起こす波が時折やってくるので油断できません。このあたりは風不死岳の急峻な地形そのままに支笏湖に接している場所です。 |
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11)
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12)
岸から離れないように小刻みの目標をセッティングしながら進みます。 |
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13)
対岸の方から風を伴って大きな波が時間差でやってきます。もはや対岸の山々は霧で見えません。こうなると山の頂点の見える角度から自分の位置を割り出す事が出来なくなり、地形図と湖岸の地形を照合して位置を読んでいくしかなくなります。
しかし視界不良の中で揺れるカヌー上で地図を細かく読んでいると、船酔いしてしまいそうになります。 |
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14)
ようやくスタート地点の対岸に近付いてきました。湖岸は似たような小さな岬が連続していて視界が利かない状態ではなかなか自分の正確な位置を把握するのは難しいです。 |
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15)
この岬を越えると今日の宿泊予定地点の美笛(びふえ)キャンプ場です。ここまでくると余裕が出てきて、早く上陸してビールが飲みたいなどと考えるようになります。 |
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16)
支笏湖に注ぐ美笛川河口です。おおきな倒木が折り重なっています。 |
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17)
ようやくスタート地点のほぼ対岸にあたる美笛キャンプ場に到着しました。まだシーズン前なので、今日は貸切みたいです |
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18)
上陸すると虹が出迎えてくれました。とりあえずドライスーツを脱いで冷えたビールで喉を潤してから写真を撮りました。左の山が「風不死岳」(フップシたけ)です。まんなかの台形状のぽこんと飛び出した山が樽前山(たるまえざん)です、
スタート時点での見え方と逆になっています。今日一日で約20kmの距離を移動しました。平均時速は3〜4km毎時程度です。今日はこの場所にテントを張って静かな一夜を過ごします。 |
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