8)必要資材の調達方法
伴走ライダーの立場で自分が関わっていた必要資材についてです。
バイクで伴走するのですから、まずバイク、それに給水のためのクーラーボックスと連携する本体マラソンカーとの通信手段などが、まず思いつく必要装備でした。

 自分の手持ちのバイクや装備を使っての数日間のテストリハーサルを行っていくうち、必要資材についてだんだんと的が絞られていきました。
最終的な段階の必要機材については次の通りです。
 A)
伴走バイクは大型のオフロードタイプに入念な熱対策を施した改造車両を用いる
中型のクーラーボックスを中身を出し入れしやすい状態で積載する
常時無線装置と携帯電話で通信できる装備
マイクスピーカーを組み込んだ通気性の優れたシールド付き軽量ヘルメット
時速一桁代の速度域で正確な数字を表示する、自転車用のデジタルメーター
GPSナビゲーションシステム装備
一時的な電力消費に耐えるための予備電源を装備する
雨天時の後方視界確保のためのモーター内蔵の特殊なバックミラー装備
 
B)
 伴走する服装は、熱射病にならないための装備として、 ホワイトジーンズ・発汗速乾素材チノパンツ・射熱ステンレスメッシュウェアー等
 雨対策として、防水透湿素材ゴアテックス仕様レインウェアー及び  ゴアテックス素材使用上下バイクウエアー
C)
 記録通信手段としてデジタルカメラ・パソコン・携帯電話
具体的な調達方法
 それらを調達するのはどうするか?

 難しいことはありません。自分で持っている装備を総動員して事にあたり、無いものは買うしかありませんでしたが、
 マラソン本体の中の話で、私が「協賛のお願いの手紙を書いてもいい」という事になり、大物機材に関して、「駄目でもともと」的発想でで協賛のお願いなる手紙をメーカー宛に書いたものでした。・・・・・スタート2ヶ月前のことです。
A)について、バイクは当初自分のバイクを使う事を考えていましたが、そのバイクは乗用車との正面衝突事故によって、大きく壊れてしまいフレームにまでダメージを残しており、一応修復して走れるようにしてあるものの、今後トラブルが発生する可能性を拭えない状態でした。実際のマラソン中にメカトラブルにかまっている暇などありません。

 思い切って自ら新規にバイクを購入する事をそこで決意しました。・・・が、しかし、既に所有しているものと基本的に同じバイクをもう一台、4ヶ月間使うためだけに100万円も出して買う、というのはかなり「無駄」な事です。 そこで、バイクの製造元であるホンダ技研さんに手紙を書きました。

 マラソンの趣旨うんぬんと、リハーサルを通して、サポート車両はアフリカツイン以外に無いといった事を書き綴って、「個人的に買うから安くして」といった内容の手紙を送ったものでした。
 その後JPC(患者家族協議会)の方に動いてもらって話を詰めてもらった結果、なんと協賛という形でいただけることになったのでした。
※「本田技研工業株式会社様_社会活動推進室」より「財団法人北海道難病連」に寄贈いただく。マラソン終了後サポートスタッフに僅かながら日当が出るという話があり、心情として金は受け取れないので品物で受け取り、世界一周激励マラソンまで預かる事に(笑)
 通信装置についても「その旨」手紙を書いてケテルさんより協賛いただきました。
 ・・・通信装置とは、バイクに乗ったままハンズフリーで通信するための装置の事で、「警察の白バイ」に使われているものと同じ物を協賛してもらいました。
 使用ヘルメットについても手紙作戦をとったのですが、駄目でした。

 しかし必要なものなので、なじみのバイク屋で購入しようとしたところ・・・「おまえにやる」と店主、「協賛してもらった企業などは案内パンフレットに載りますので、」とわたしの話に、「駄目だ」と店主、「おまえ個人にやるんだ、協賛じゃないから載せてくれるな」と言います。

 正直小さなバイク屋です、まっとうな商売を二人でやってる小さな店です。高価なヘルメットの代金をまかなうためには、いったい何本のボルトを締めなければならないのか?オイルが染み込んだその手から受け取った最新の軽量ヘルメットには重みがありました。・・・このように影で支援してくださった方々の存在が多々あります。
 ナビゲーションについても協賛のお願いをする余地があったのですが、バイクに搭載して使用するといった条件で作られたものは存在しません。使えるか使えないか実際にテストしてみるまで判りません。
 見当をつけて購入して、テストしてみて、もし駄目な時は、マラソン号に搭載すればいいとも思ったのですが、

 「不慣れな事はするべきではない」との意見により全日本道路地図一冊で回るという事でナビゲーションは却下でしたので、無駄を覚悟で買ってみるしかありませんでした。
 ・・・実は実際のマラソンの最中「ピンチ」な時になってこれが大活躍することになりました。
 
私が協賛のお願いをしたのは 
 
1)バイク 2)通信機器 3)無線機器 4)携帯電話 4)ヘルメット 5)パソコン
 
 そのうち成功したのは1)バイク2)通信機器のふたつでした。 これも準備期間が十分あれば別な展開になっていたかも知れません。 さらに購入したものの中に協賛のお願いをするべきだったと思われるのもの多々ありました。
 ほかにシチズン時計さんより協賛いただいた事から、マラソン用に私的に腕時計を購入使用、NECさんに協賛いただきノートパソコンと通信モデムを貸与していただき、リコーカメラさんよりGR1の予備機を貸与していただきました。
もうひとつの必要機材
 
1)難病患者の方をバイクに乗せて伴走できないだろうか?
2)実際のマラソンの様子をビデオに収める事は出来ないだろうか?
3)実際のマラソンの様子をデジタルカメラで撮って患者さんの元に中継できないだろうか?
当初、個人的に3つのアイデアというか希望みたいな事がありました。
 1)については早い段階で、不可能との結論に達しました。
 2)いついても技術的部分、機材的部分、資金的な部分から無理でありました。
 3)については、デジタルカメラで走りながら撮影したデータを、そのまま携帯電話で転送して、リアルタイムにホームページ上で公開してしまおうという大それたものに発展していきました。
  そのためにまず、携帯電話会社への電話機ならびに通話料金の協賛のお願いをする必要がありました。 
  結果的に電話会社の協賛がもらえずに、リアルタイム送信はできませんでしたが、私の飲み友達の強力なバックアップのお陰で、Web情報発信は実現することができました。

 その人にはデジタルカメラを買い与えてもらい、情報発信のためのホームページの作成から自前のサーバーを提供して公開するに至るまで全てを提供してくれました。 難病患者の家族でもあるコンピューター関係の会社の代表の方が、このホームページの前身のすべてを作ってくれていました。
 
 パソコンについては協賛のお願いは実現出来ませんでしたが、NECさんよりマラソン期間中ノートパソコンを2台、無償貸与していただく事ができ、活用させてもらいました。
 
 協賛のお願いは、検討して一社に絞ってお願いして、じっと結果を待つというパターンだったので、それが実現できなかったときには既にタイムアウトで、別の企業にお願いしてみる時間が無かったというのが惜しい気がしました。
 それとも、ここぞという企業数社に、いっせいに協賛のお願いを出しておいて、早く返事が帰ってきた所にお願いしてしまうというやり方もあったのではないかと思いました。

 二股三股かけているような方法になるのかもしれませんが、そこはそれ考え方を柔軟にして協賛獲得を最優先にいろいろやってみるべきだったのではと思いますし、もしくはこちらから協賛願いの返事の期日を指定してお願いしてしまう方法のあったでしょうね、タイムリミットの出発直前のころそんな事を考えていました。
=== 8)必要資材の調達方法 ===
9)連絡手段と通信手段
7)道案内をどうするか?
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