小鳥室2021
巣箱の防御とヒナの巣立ちトレーニング
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割りばしの足場に掴まってスズメと対峙しているヒナを守るヤマガラ母鳥の写真
*2020年5月 スズメからヒナを守るヤマガラ母鳥
安定した足場は巣箱防御の要
ヤマガラと比べるとスズメのほうが身体も大きく、力も強いので、普通に戦った場合はヤマガラが負けてしまう可能性が高いと思われます。

しかしスズメは身体が大きいぶん巣穴を通り抜ける為には身体をすぼめて羽を小さく折り畳んで巣穴を潜り抜ける必要があります。

その瞬間は羽を広げる事も機敏な動きも出来ません。スズメは一時的に動きが制限され、攻撃も防御も出来ない態勢になります。

ヤマガラはスズメが不利になる瞬間を狙って攻撃する事で、攻撃力の差をカバーする「会心の一撃」を繰り出すチャンスが生まれます。

この時、ヤマガラが安定した足場に掴まって有利な体制から攻撃を繰り出せる事が会心の一撃の生まれるチャンスを増やします。

つまり、

攻め込む敵が無防備になる瞬間を狙って反撃出来る構造、攻めるに不利、守るに有利な構造。まるで熊本城の基本コンセプトにも通じる考え方が巣箱の設計にも通じるという事が2020年の巣箱カメラの観察で解りました。
巣箱内壁に設置されたホールドに掴まってカメラ目線をしているヤマガラのヒナの写真
2020年6月 割り箸に掴まってカメラ目線をするヒナ
ヒナの巣立ちトレーニング
巣立ちの際、ヒナは巣穴から、いきなり外の世界に飛び出し、羽ばたき、何かに掴まります。あらかじめ飛び上がって掴まるという動作を練習する事は、特に風が強い時などは、ヒナの生存に有利に作用すると思われます。

おそらく自然界の樹洞等では内部には小鳥たちの足掛かりになるような部分が不規則に多々あり、巣立ちの近いヒナは歩き回ったり探検しているのではないかと推察しています。

自然界には存在しない直線的、平面的構造物の巣箱では、足掛かりは巣穴一か所しかありません。巣穴は高い位置にあり、一気に飛び上がって掴まれるようになるのは、ヒナが巣立ち真近まで成長した後の事です。

小鳥の脚の構造上、巣穴には「掴まる」のではなく、主に爪を引っかけてぶら下がる状態になります。人間の手でいう「掴まる動作」の「親指の役目」を鍛えるには、自然界にある木の枝のような小鳥の足で「掴まれる」構造物を設置するのが良いのでは?との考えで、

少し高級な割りばし(変な割れ方をしない均一性と強度がある)を使い、角をヤスリでまるめて(壁面との間に爪の掛かる溝を作る)、荒いヤスリで表面を荒して(爪が掛かるように)、強力な両面テープを接合面に1o小さくカットして密着(爪が刺さり込む余地を無くす)、下穴を開けて皿ネジで完全固定(万一外れると事故になる危険がある)しました。

人間界のクライミングジムのガバのホールドのイメージで強固に設置してみました。巣箱カメラを突っつかれるとまずいので、カメラレンズの対面二面だけに設置しています。

実際の巣立ちでは、興奮状態になったヒナが巣箱カメラに飛びついてくる事があるのですが、飛びつく目標として足場があるおかげで、巣箱カメラに飛びつく事が無かった事も観察するには都合の良い事でした。

適当に選んだ割り箸という材料もヒナの足のサイズ的にいい感じで、しっかり掴まって良い顔をしているように見えます。
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