蕎麦の心その参 
収穫されたばかりの蕎麦はこれが食べられるようになるとは思えないような代物です。
時間を掛けてじっくり食べられる状態までもって行きます。
収穫した蕎麦はこのように不純物が沢山混ざっています。
ビニールシートの上に広げて乾燥させます。
乾燥したらステンレスメッシュのふるいに掛けて花の残骸やら葉っぱの残骸などを細かく砕いて分離しやすくします。
「とおみ」という分離マシンです。右手でハンドルを回し左手で上から脱穀の終わったそばを送り込んでいきます。

マシンの各所にレバーや調節つまみが有り、穀物の種類やコンディションによって微妙にセッティングを変えつつ、ベストセッティングを探り、数回マシンに通して不要な混じり物を飛ばします。
ハンドルを回すと中の風車が回って風が起こり、風の通り道に蕎麦をくぐらせる事で不純物を吹き飛ばして純粋な蕎麦の実だけにしていきます。

まわす力加減が難しく、弱くては話にならないし、強過ぎると玄蕎麦まで飛んで行ってしまう!

セッティングが合うと、全ての不純物が飛んでいきます。
人生で溜まった不純物も飛んでいくらしい(笑)
そうして分離した玄蕎麦です。
正しく幌加内で生産される蕎麦には最寒そばの称号が与えられます。
次は石臼で挽いて粉にします。
一定の回転数で少しづづひき潰していきます。

蕎麦を打つ時の事を念頭にいて均一に挽くことを心がけながら挽いていきます。
小さな石臼なので、挽くのに時間がかかります。
ふと気が付くと2〜3時間は石臼回してます。

不思議な事に、ある程度時間が経過すると、その後はなにも考えずに無心になって何時間でも挽いていられるのです。
車庫の中でぐるぐる石臼回して蕎麦を挽いていきます。
まるでなにかに取り付かれたように黙々とゴリゴリ回し続けます。
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