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大晦日の夕日
宗谷岬の駐車場でサンダーバード二号の気分でテールゲートを開けてバイクを発進 雪原に沈む夕日に向かってアクセル満開、2スト220ccの加速が体に沁み込む幸福な時間。 初めて手に入れたバイクMTX200Rの2スト200ccの記憶に重なる 最高の走り収めをさせてもらった
この夏は久々にバイクでキャンプツーリングに出た。バックパック一つ背負って走る昔のスタイル 飯もガソリンストーブで飯盒炊飯
 
サンマの蒲焼缶詰が一つあれば嬉しかった
残りのタレにご飯を混ぜ混ぜ酒の肴
飯盒の蓋にボンカレーを乗せて飯を炊く
 思い出せないぶりに買ったボンカレーは外箱を活用して電子レンジ調理対応に進化していた ボンカレーは贅沢品だ(笑)
中標津開洋台のバイク専用キャンプエリア
ゴミ箱に張り紙がある
ゴミは有料です カフェでゴミ袋を買って入れて下さい お願いします

とあります。「お願いします」とまで書いてあります
ゴミ処理を実践してみます。赤い袋と青い袋 「燃やせるゴミ」「燃やせないゴミ」それぞれ10リットルで40円 合計80円 維持管理費の足しにするにはあまりに小額です。しかも昨夜は貸切使用

開洋台はある時期キャンプ場が閉鎖されていた事もあり、再開してもらえた事が嬉しくて ゴミ処理方法に応援票を一票

カフェで飲食していたのでカフェの方がゴミ袋を買わなくても受け取ってくれそうになりましたが、僅か80円しか協力していない感です。ここ開洋台の裏キャンプエリアは旅人に寛容な特別な場所です。 おそらくここを大切に思うライダーは多いはず そして日本中にいるはずです
ウシ空のキャンプ場入り口看板の転記
ウシ空のキャンプ場入り口
キャンプ希望のライダーさんへ
頂上に2輪無料駐車スペースがあるモォ〜
(上のトイレの使用はPM5:00まで)
(下のトイレは24時間利用できるモォ〜)
水道施設&トイレもあるモォ〜
申し込みはないモォ〜
ゴミは有料で受付しております。
ゴミ袋が無い方は、展望館内にて販売しております。
なかしべつ観光協会
・・・とあります
 
かつてミツバチ族という旅人が北海道内を飛び回っていた頃、
丘の頂上にはハイジの家が建っていて そこに続く丸太の階段横には 幾く筋もの溝が付いていた 「ミゾ」「轍」「わだち」それはバイクで駆け上がっていく痕跡 滑りやすい草付きの急斜面を駆け上がるには 土手の手前で加速して惰性を付けて一気に駆け上がる

構造上オンロードバイクは上がれない 下の駐車場に停めて荷物背負って階段を歩くしかない オフロードバイクでもショボイライダーは上がれない(笑) バイクはお金で買える。でも乗りこなせるようになる努力は売ってない

仮面ライダーがジャンプしたりアクセルターンをするの見て「カッケー」と思っていた子供そのままの思考で かっこよくバイクを乗りこなすために 皆影で練習した 転んでいる所を見られるのがかっこ悪いから「影で」になる。

そうしてトレーニングを積んで 土手に挑むわけだ オフロードバイクを乗りこなせるようになって到達できる場所 かつての北海道には沢山あった 開洋台はそんな場所の一つ

その名残がソフトな形で残してある(笑)
 
バイクは障害を乗り越えていく自由の翼だった それは七転び八起きを経て自分の翼になる
バイクに乗る事は小さな自由を手に入れる事
ミツバチ族全盛の頃、北海道は砂利道天国だった。主要道路ですら砂利道区間があり、未開通の迂廻路は過酷な砂利道だった。砂利道がなんで天国なのか?意味不明!でしょう(笑)

何故か?砂利道を好き好んで走る連中が日本中から集まってきていました。当時はそんな泥臭いライダーや直線道路をぶっ飛ばしクネクネ道で膝をスリスリするオイル臭いライダーが寝袋一つで泊まれる簡易宿泊施設の「ライダーハウス」なるものが存在していました

夕方になるとバイクがブンブン集まってきて 朝になると一斉にエンジン吹かしてブンブン飛んでいく、 そんな様子から 北海道では夏の時期 バイクの旅人を「ミツバチ族」と総称していました。

ちなみに大型のキスリング(リュックサック)を背負って旅をする人は、人とすれ違う時に幅広のキスリングがぶつからないように横歩きをするので「カニ族」と呼ばれていました。
帯広駅の裏にはそんな「カニ族」の為に簡易宿泊テント「カニの家」がありました。

高倉腱さん主演の「幸せの黄色いハンカチ」の中にも観光地のシーン背景にカニ族が映っていました

夏の北海道が旅人天国だった頃
道内各地にライダーハウスが多数存在し、それぞれに個性的なオーナーが運営していて特徴がありました。集まるライダーにも特徴なり傾向があり、オフロードバイクが集まるライダーハウスに「えさしYOU」がありました。

えさしYOUはオフロードバイクのチームを作り「エンデユーロ」というオフロードバイクのレースにも出場していて その道の猛者も集う場所でもありました
そんな環境の中で究極のオフロードツーリングとして「元旦宗谷岬ツーリング」が始まりました。

元旦夜明け前に北見枝幸町のライダーハウスをスタートして宗谷岬で初日の出を見に行くツーリング・・・
〜〜〜
  宗谷岬に到着して日の出イベントが終わったら 一斉にトンボ帰り そのとき岬にテント張ってるバイクの中から「面白そうなやつ」 をライダーハウスの宴会に誘っていた 岬にいた場違いな3台のオンロードバイクを誘った(らしい)

当時元旦の宗谷岬に来ているのは 夏の砂利道ツーリングに飽き足らないオフロードバイク乗りや 夏のオンロードライダーが カブ等の原付自転車に乗り換えてやってくるものだった それを夏と同じく大型のオンロードバイクでやってくるものは珍しかった もしかしたらいたのかもしれないけど 元旦の宗谷岬に辿り着けずに何処かで撤退していたのかもしれない

当時の路面状況は現在のような甘いものでは無く 降雪が続くとたちどころにオフロードバイクで走破する類の悪路になった 悪路走破性の乏しいオンロードバイクは窮地に陥る

そこをたまたま好天を突いて宗谷岬まで走れてしまうと 屋根に上がってはしごを外された状態になってしまう(笑)

オンロード三人衆がどうやって宗谷岬に辿り着いたかはわからないけど 確かにそこにいた

夜のうちに枝幸を出発し宗谷岬にテント泊していた前乗り組は 皆が帰った後にテント撤収して出発 途中浜頓別に寄ったりしながら 枝幸に向かった

到着すると 件のオンロード三人衆について何処で追い抜いてきたかと聞かれた まだ到着していないという

枝幸町に程近い集落で初詣での参道が電飾されている神社の付近で オンロードバイク三人衆を追い抜いていた 路肩を三台一列に並んで低速走行していた

ならば もう少しで枝幸に着くね

ライダーハウスでは一階大広間に畳を敷いて宴会場を設え 準備を整えていた

しかしオンロード三人衆が到着しない いよいよ心配になってきた頃 ライダーハウスのピンク電話が鳴った 三人衆難儀しているらしい

ピックアップトラックでバイクを積んで来ていた「リー」が救助に向かった(リーはライダーネーム ほんとはもう少し長い) 

夕方になって解けた路面が凍結し始め コケる頻度が上がり 三人とも起こす力を使いきり バッテリーも使いきり エンジン始動不能 救助要請となったという そのオンロードバイクは極めて貧弱なスパイクタイヤを履いていた

「リー」はブースターケーブルを繋ぎ「好きなだけセル回せ〜」と到着まで伴走してくれていた

宴会では皆が順番に一人ずつ立ち上がって自己紹介する オンロード三人衆 何を言うか?場は静寂に包まれた 「自分のバイクは115馬力あるんですけど・・・5馬力も使えてないと思います・・・」 と、疲労困憊した身体に照れ笑いを交えた言葉が発せられた瞬間 充満したガソリンの混合気にスパークプラグで点火したような大爆笑が巻き起こった 爆風に倒され笑い転げる者も出る大惨事

「あたりまえだろ!〜」と「大馬鹿」なチャレンジに大賛辞を送っているものだ

ここに集う連中は皆散々コケて起こしてをやっている それもゲロヌタであがいてコケて かぶったプラグを乾かすのに泣きそうになりながら必死でキックペダルを蹴り続けた経験をしている者がほとんどだ

ツルツルのアイスバーンでコケて起こしてを繰り返す労力がどれ程のものか それをわざわざ300kg近いオンロードバイクにしょぼいスパイク履かせてやるとは

それは「小馬鹿にして笑う」といった程度の浅いものでは無い 「大馬鹿」なチャレンジをして散々やられて辿り着いた事への最大級の賛辞を贈っていものだ

心も腹筋も温まる正月「えさしYOU」の新年会
開洋台展望台1F caffe kaiyodai  「ザンギ カレー」
 
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