柱状節理を割って青空に掛かる氷瀑の写真
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層雲峡の氷瀑
氷瀑は山の神が作る自然の造形 万年単位で作られる柱状節理の造形も手掛ける巨大な彫刻家だ
羽を広げて青空に飛び立とうとする白鳥のような氷瀑の写真
第二目標の滝
取りつきから見ると羽を広げた白鳥の背中を攀じ登るイメージか?
氷瀑の落ち口で柱状節理の裂け目に引っかかってる白樺を見ている写真
シーズン最終アタックで初めて落ち口まで到達
勢いで登り切りたい気持を抑えてここで撤退タイムアウト
下降支点に荷重を移す直前のの写真
下降支点のアバラコフ
懸垂下降支点に荷重の移し替えに手間取った。南向きの滝には直射日光が当たり表面は融け水が滴っていた。太陽光は透き通る氷の内部まで届き、晴れの一日凍った滝は太陽のエネルギーを受けて温まり一部は解けていた。

太陽が対岸の崖に沈むとマイナス10度以下の外気によって急速に冷え初める。表面を伝う水が再結氷し緩んだ部分が締まって膨張し始める。

下降支点作成用に温存している刃の鋭い新品スクリューを捻じ込むも、ことごとこく途中で動きが止められてしまう。半分切り進んだ所で周りから締め付けられて回らなくなる。それは通常起こるチューブ内の切削カスが再氷結して詰まる現象とは別の要因だった。

「水は凍ると膨張する」子供の頃から分かっているはずの現象と、目前で起こっている不都合の原因がリンクするまでしばし時間を要した。

本来打つべき場所に下降支点が作れない、クライムダウンしながら探ってかなり下に作ることになった。さらに荷重を移す段になって新たな問題が発生した。導入したばかりの新型下降器の構造的弱点に直面。

新型下降器はロープの自動ロック機構を採用しており、いつのまにか器具の中をロープが流れて大きく弛んでいるという危険な状態を作らない便利な機構だった。登りでは効率よくその機能が発揮され作業のスピードアップに繋がった。

しかし、旧モデルにあった手動ロック機構を廃止していた。それはレバー操作でロックカムを閉まる方向に回してハウジングに挟み固定できる強制固定する機能

新モデルは強制固定が出来ない。ロープは常にフリーな状態にある。

自動ロック機構はロープに加わる張力でロックカムを回転させて、ハウジングにロープを挟み込む事で固定している。つまりロープの張力が抜けると固定する力も抜けてしまう。

懸垂下降の準備として取り付きのアンカースクリューに固定されたメインロープを、下降支点までの20数メートル分の「ロープの伸び」(細いシングルロープはやたらと伸びる)を引っ張って取り体重を掛けて、ロックカムに挟んで固定する。

次の段階、アバラコフの上に打ってある下降支点作成用のスクリューを回収する作業中に、下降始点のカラビナにかかってるメインロープの張力で、下降器のロックカムがカラビナに引き寄せられて接触してしまう瞬間がある。するとロックカムが押されて挟む力が解除されて、まるで引っ張っていたゴムを放すように一瞬にしてロープが戻り緩んでしまう。これを何回か繰り返してみて、手を変えて試行してみる。

ピッケル、スクリュー、アバラコフが理想の位置に決まっていれば問題無い。しかしそうでない場合、強制固定できない器具での荷重の架け替えは思わぬ危険が伴うと解る。それは使用方法に問題があり、そもそも自分が器具を使えていない部分もある。

使い慣れた予備のシンプルな下降器に付け替える。
下降器を固定して中間支点を回収している写真
ぐるぐる巻きの心理
下降支点の作成で少し怖い思いをしていた。その影響で下降器をぐるぐる巻きにして仮固定している。本当は怖いんだ、冷静に眼下を見渡すと震えがくる時がある。写真を見返すと面白い。バックアップロープの取り回しにも注意が向いていない。

奥に見える中間支点を回収するための下降器の仮固定、下降器から手を放して両手で作業する。仮固定が解けると墜落の恐れがある。

初めてシングル9.1oロープを使ってみた。その伸びっぷりと細く止まりにくさも、ぐるぐる巻きの心理に一役かっている。

見渡す限り人の気配も動物の気配すらない、稜線に日が沈み寒さが来ると山の神様を身近に感じる。柱状節理の一本一本がその指先にすら見えてくる。もし機嫌を損ねたら自分の存在など密かに消し飛ばされてしまうだろう。

それが本当のぐるぐる巻きの心理。
断崖で逆さ中吊りトレーニングの写真
セルフ レスキュートレーニング
何らかの原因で墜落した場合、足のアイゼンがロープに絡まり逆さ中吊り状態になる可能性がある。

写真はバックアップロープに左足が絡んだ想定で「4分の1+αに組んだ」引き上げシステムをメインロープにセットした状態(別設置の代理バックアップロープに荷重を移し、真のバックアップロープは万一の為フリーにしてある)。

逆さ中吊り〜からの脱出実験システムを構築、セットして入念な確認をして実験開始。完全逆さ中吊り状態にする。緊急解除レバーに手が届く事を確認して、まずは時計をみて1分そのままの状態で様子を見る。遥か頭上に潮騒が聞こえ眼下に太陽をみる景色は面白い青空がまぶしい。

万一気を失うとまずいのでリラックスしながらも気は抜けない。1分程度逆さ中吊りになった所で特に騒ぐ事ではない。実験回数を重ねると面白く周囲が見えるようになる。

現時点で解っているいる事は
1)まず冷静でいられる事が重要
2)次にバックアップロープと事前の備えトレーニングが無いと自力復旧は難しい

自力復旧実験の主な装備
フルボディーハーネスを使用、胸部アタッチメントポイントに下降器を装着、背部アタッチメントポイントにバックアップの墜落防止器具を装着。

ロープクランプ付きの引き上げシステムが左右のギアラックに1組づつ合計2組必要

写真はバックアップロープに絡まった想定、メインロープに引き上げシステムをセットして 自己引き上げ開始、頭を上げ上体が半分起き上がって安定した状態。

まずは素早くこの状態にして頭に血が上りすぎるのを防ぎ、自分の置かれている状態をしっかり把握し、解決策を考え脱出する。メインロープに絡んだ想定のほうが簡単に一時退避状態に持ち込める。

まだまだ研究途中

確実に解っているいることは
1)腹部アタッチメントポイントを使用した場合は 重心の関係上 一時退避状態にするまでやや時間を要する
2)午後一のトレーニングでは昼飯の味がもう一度楽しめる 潮騒に乗ってカレーヌードルのフレーバーがおりてくる なので、昼に納豆巻きを食べてはならない

※2019年現在の装備/使用法
第二目標クリアまでもう少し でもまだ遠い
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