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話をすると朝出発のときは調子よかったそうですが、途中からだんだんエンジンが吹けなくなっていって、ついには2気筒あるうちの片方のシリンダーが完全に機能停止したようです。予備のスパークプラグをもっていたので交換したそうですが、それもだめになってしまったようです。
エンジンから外されたスパークプラグを見ると、2本ともしっかりかぶっています。かぶるとは・・・泥をかぶるとか仮面をかぶるとか猫をかぶるとか、何かに表面をおおわれている状態です。スパークプラグがかぶるのはカーボンであったりガソリンであったりオイルであったりします。
それらをかぶるとスパークプラグは、機能出来なくなってしまいます。 |
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2)
スパークプラグの役目は電気的火花(スパーク)で混合気(ガソリンと空気の混ざった気体)に点火する事です。しかしプラグがかぶると、かぶりものの表面を伝って電気が流れてしまいます。
本来スパーク(放電)するはずの中心電極と接地電極の間を、かぶりものを伝ってバイパスする形で漏電が起こるので、電極間に放電出来なくなります。
具体的には中心電極を覆っている碍子(がいし)表面の汚れ(かぶりもの)が問題になります。今回はキャンプ装備を持っていたのでガスコンロで焼いて解決します。 |
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3)
スパークプラグがかぶるのは、様々な原因が考えられますが、この場合は空燃比の異常によるものではないかと推測します。ガソリンエンジンはガソリンと空気を混ぜた混合気体を燃焼させて動いていますが、おおむね重量換算でガソリン1に対して空気15というのが基準になります。それを大きく外れると問題が起きます。
この古いバイクのエンジンではガソリンと空気を混ぜるのは気化器(キャブレター)の役目です。朝の出発の時は調子が良かったとの話なので、走行中に空燃比が大きく狂う原因としては気化器内のフロート室の底にでも沈殿していたゴミ等が、走行中の振動などで浮き上がり、エアブリードやジェットなどのデリケートな部品を詰まらせてしまったのではないかと推測します。
電極を回復させたプラグを付けると元気良くエンジンがかかりました。根本原因の解決は後にして、とりあえず雨に振られる前に帰り着く事が先決です。・・・回復した予備プラグもあるのでなんとかなると思います。・・・と、黄色いバイクのライダーは安堵の表情を見せました。 |
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4)
傍らで作業を見ていた店の方から、中でお茶飲んで休んでいきなさいとのお誘いを受けました。とても嬉しいのですが雨が降り出す前に帰らなければなりません、・・・と言ってる間にポツポツと雨粒が・・・
急いで出発準備をしていると、ミニトマトを差し入れてくださいました。ありがたくその場で二人でいただきました。とても甘いフルーツのような美味しいトマトでした。こまっている人になにかしてあげたいというやさしい気持ち、ありがとうございました。いただいた気持ちは装備に加えておきます。 |
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