おまけの東北ツーリング(その六)
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20年以上前の記憶を辿って十和田湖畔を探索してみました。
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1)
十和田湖畔の原生林、岩の上にも数十年、樹木が岩を包んでいます。
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2)
乙女の像
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3)
遠い記憶を辿る探索は成果がありませんでした。湖畔では紅葉が始まっています。
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4)
 使っているヘルメットは10年前の激励マラソンの時に馴染みのバイク屋さん(ノイズマーケット)からいただいたものだ、それを通信機器屋さん(KTEL)にマイクセットを協賛して取り付けていただいたもの、

 携帯型音楽プレーヤーで地方局のFM放送を聞きながら旅をするのが面白い。このバイクはその馴染みのバイク屋さんに無理言って2002年に生産国から取り寄せてもらったバイク。そこに今年生まれたてのりんごが50個乗っている。
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5)
 りんごを一箱買ってバイクの荷物をパッキングしていたら、店主がバイクの所まで来て、それぞれに味が違うから食べてみてと、違う種類のりんごを三つおまけしてくれました。湖畔のベンチで美味しくいただきました。
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6)
木漏れ日の濡れ落ち葉道、気持ち良いけど、所により滑りそうで非常に気持ち悪い(笑)
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7)
奥入瀬渓流は渋滞ぎみだ
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8)
紅葉はもう少し後のようだ
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9)
 学生の頃、夏休みを使って札幌の自宅からマウンテンバイクにキャンプ道具を満載して、日本縦断の旅をした事がありました。筑波の万博を見て富士山に登って沖縄まで行くぞ、というもの。

 函館〜大間航路で津軽海峡を渡って、下北半島を走り、十和田湖を目指していた時は丁度梅雨の真っ只中。テントを張るのが辛い状況でした。そんな時、湖畔の乙女の像の近くに東屋を見つけて一夜を過ごした事がありました。

 東屋は農家の納屋くらいの大きさがあり、ガラスの窓が無く普段は広く開放されている重厚な木製の引き戸を締め切ると、中は真っ暗になる作りでした。

 中は土間になっていて壁伝いにベンチが一周していて中ほどにはテーブルが設えてありました。夕方暗くなるのを待って、自転車ごと中に避難して引き戸を閉めました。そこは暗闇と引き換えに雨風を完全にシャットアウト出来る快適な空間です。

 キャンドルランタンを灯して、ラジオをつけて、コーヒーなど入れて寛ぎました。ベンチの上にエアーマットをひいて寝床を作り、シュラフカバーに包まって、聞くとはなしにラジオを聴いているうちいつしか眠りに落ちていました。

 ふと、何かの物音に気が付くと、キャンドルランタンは消えていて、真っ暗闇の中でラジオが不規則な雑音を流していました。そこに、「・・・トン、トン、トン、」とドアをノックする音がしました。

 まずい、こんな所で勝手に寝ていたら怒られる。まどろみから半分起きて、手探りで懐中電灯を探します。でもこういうときにかぎってなかなか見つかりません。

 あわててバランスを崩してベンチから転げ落ちてしまいました。そこで気が付きます。「なぜノックする必要があるんだ?」「今頃誰?」時計は午前零時過ぎを指しています。冷静になって起き上がり懐中電灯を点けて辺りを伺います。

 暗闇だったので何処から音がしたのか判らずに、壁や引き戸のあたりに目をこらしていると、急に寒気がしました。

 この東屋がある場所は土産物屋街から遊歩道をかなり進んだ先にあり、周囲数キロに人は住んでいないはずだ、まして雨の午前0時過ぎに誰がこんな所にやってくるというのか?

 いまここでどれだけ大声を出そうが誰にも聞こえない。何が起きても誰にも知られる事は無い、自分がここにいる事を知っている人はいないのだ、なにやら得体の知れない怖さを感じていた。息を殺して耳を澄まし目を凝らす、

 ・・・・・・・長い静寂が続くうち、きっとあの音は気のせいだろう。と無かった事にしてしまおうと考えはじめていた、

 確実に「・・・トン、トン、トン、」 たぶん天井のほうから音がした。

 反射的に「コラッ!」と天井に向かって叫んだ、「おまえの魂胆は判っている」「俺を怖がらせて湖に追い込んで溺れさせるつもりだろう!」「そうはいかないぞ、かかってこいこのやろー!」考えていた事をそのまま声に出して叫んでいた。

 音を聞いて不思議と恐怖心は薄らいだ、ヤツは音を立てることしか出来ないのだ、ぶつくさ独り言を言いながら、キャンピングガスのポケットランタンという80ワット相当の強力なガスランタンを煌々と点けて、ラジオのチューニングを合わせ直してボリューム最大、ICIバルトロフライパンという重厚ながっちりしたフライパンのハンドルを組み立てて握り締め素振りなどして、過ごす。

 けっきょく「ヤツ」はもう出て来なかった。

 「得体の知れないヤツ」の存在を確認したのは、後にも先にもこの一度きりだ。

     ・・・何だったのか?
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10)
 昼間乙女の像に会いに行った時に周囲をくまなく探索するも東屋は発見出来なかった。とうの昔に取り壊されている感じだった、たぶんここにあったのだろうと思われる地点には、なんとなく痕跡があったものの特定出来なかった。

 あの時の「得体の知れないヤツ」は何だったのか?ずっと気になっていた、 
・・・もう永久に判らないままなのか?
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11)
 どうしても気になって、もう一度乙女の像の周囲を探索しに行った。昼間とうって変わって店仕舞いの真っ暗な観光地。

 そうだ、あの日も日暮れと共に誰もいなくなったのだ、それを十分に確認してから東屋でこっそり野宿したものだ、周囲には絶対に誰もいなかったはずだ、・・・「この二人を除いては」

 暗くなってなお楽しげにしている彼女らを眺めていたら、なんとなくあの夜の出来事が何だったのか解った気がした。
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12)
 10年越しの思いと、20年越しの謎の答えと、りんご50個積んで、八戸港22時00分発、苫小牧港7時00分着のフェリーに乗船しました。
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13)
 バイクは一台だけでした。一番に乗船して寝床を確保したら大浴場で一風呂浴びます。
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14)
夜の八戸港を出航。潮風を肴にビールが旨い。
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15)
一夜明けて苫小牧港に入港
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16)
接岸の際はまずは錘付きの細いロープを岸に投げて
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17)
 それを伝ってメインロープを引き出して固定します。この舟は3本のロープで固定されていました。バイクの下船は一番最後なのでゆっくり作業風景を見物出来ます。
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18)
フェリーを降りたら港のマルトマ食堂で朝食です。
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19)
 支笏洞爺国立公園内の一直線道路、やっぱり北海道の道は良い! でも周辺の木々は台風の被害が痛々しい。
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20)
子供の頃から慣れ親しんだ支笏湖と恵庭岳、支笏湖は美しい!
がんばれ難病患者日本一周激励マラソン。完結したのか?
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