大晦日の朝、パソコンを開いて気象衛星の画像を見る。アメダスデータ、天気図、そして道路画像を確認する。決定的なダメ要素が無い。見切り発車的にアフリカツインで行けると判断。しかし夜間の冷え込みが甘く、路面は前夜のツルツル路面そのままの状態だった。
実は天候や路面はともかくとして、問題は「オフロードのバイク感覚」が戻るかどうかにかかっている。見切り発車の部分だ。 |
それは説明が難しい。バイクに関心の無い人は以下の文章は 「・・・という訳で」 まで大きく読み飛ばしても大差ありません。 |
それは説明が難しい。通常のバイクは舗装道路を走る前提で設計されている。基本的に路面とタイヤはズレが無く滑らない状態で力の伝達がされる。タイヤの接地面が滑らない前提で*フロントホイールアライメントが設計されている。(*前輪の操舵に関する各種角度と接地位置関係) |
小さな例えでは、ママチャリは舗装道路上では安定が良く、手放し運転さえやりやすい、それはフロントホイールアライメントが舗装道路走行で適正に設計されていることによる。
このような舗装道路を走る一般的なバイクを「オンロードバイク」と呼ぶ。 |
しかし圧雪アイスバーン路面ではタイヤと路面は常にズレて滑っている。正確には小さく滑ったり大きく滑ったり常に前後左右に滑りながら力の伝達がされる状態になる。
タイヤが滑りながらも力の伝達を行いコントロール出来る設計で作られているのが「オフロードバイク」という。自転車で言うとマウンテンバイクがこれにあたる。山道を駆け下りる砂利道を走る為の設計がされている。 |
砂利道走行の感覚 |
前者が「オンロードのバイク感覚」後者が「オフロードのバイク感覚」となる。判り易く考えて 「オンロード」=「舗装道路」 「オフロード」=「砂利道」としてもいい。
1)タイヤが滑らない前提の設計に基づくオンロードのバランス感覚
2)タイヤが滑る前提の設計に基づくオフロードのバランス感覚
二つの感覚は別のものだが「大は小を兼ねる」ような関係になる。
1)の感覚は2)を含まない
2)の感覚は1)を含む |
1)のオンロードのバイクの感覚は運転免許証取得する際に自動車学校で教えてもらえる。比較的掴みやすい。小柄な女性でもコツを掴めば重量級の大型バイクにでも乗れるようになる。バイクの免許を持っているという事は1)の感覚は持っているという事になる。 |
しかし2)のオフロードのバイクの感覚は自動車学校では教えていない。それは免許取得に必要無いという部分(バイクでアイスバーンを走る事は想定していない)と、習得にはリスクを伴うという裏の部分がある。 |
二輪車であるバイクの場合タイヤのスリップは即転倒に直結しやすい。その「スリップしても転ばない」「スリップしながらもコントロールする」バランス感覚を習得するのは難しい。
それはオフロードの現場に行って実際に滑りやすい悪路を走行して、「七転び八起き」を繰り返して少しずつ身体に覚えさせていくしか習得の道はない。 |
具体的には、まずは河川敷の広い草原等の転んでもダメージが少ない環境に行って、地味に練習して「七転び八起き」するものだ。
そしてレベルアップに伴ってチャレンジする路面もレベルアップしていく。草原、森林、山、砂浜、火山灰、川原、沢、川、泥、ガレ、ヌタ、ゲロ、(笑) |
さわやかな道 |
身につけた感覚を使って、起伏の穏やかな草原の林道などの「爽やかな道」から、山間部の崩壊林道、廃道探検の「沢や川な道」まで様々な困難な場面を走破できるようにトレーニングを積んでいく。
「爽やかな道」と「沢や川な道」では言葉は近いも劇的に違う。いずれレベルが上がるにつれて「沢や川」な方向に引き込まれていく。
仲間で協力して難関に挑むもよし、一人で寡黙に挑むもよし、突破し走破出来ればそこが道になる。バイクと一体となって難関を突破する。それがオフロードバイクの肝の部分だ。
ついには道とは呼べない本気のオフロードに踏み入れる事になり、厳しい障害物を前に深入りしてしまった事を後悔しながら「ゴロン」「バタン」「デングリ」の洗礼を受けてこてんぱんにやられる事になる。 |
* バイクに乗って 「ゴロン」 と 転がる
* バイクに乗って 「バタン」 と 倒れる
* バイクに乗って 「デングリ」 と でんぐりかえる |