103)元旦宗谷岬ツーリング2014_4_3)_吹雪のおまけ_3
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2014年2月17日撮影
札幌近郊の国道を乗用車で走行中に遭遇した吹雪
やや視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時13分撮影
1)晴れの領域から吹雪の領域への突入地点
やや視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時17分21秒撮影
2)左後方から風雪が吹き付けている状態
やや視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時17分35秒撮影
3)路面状態は悪くないので交通の流れは通常の速度を保っています。
視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時17分46秒撮影
4)上空の雪雲からの降雪と左側の広い畑に降り積もった雪が風で飛ばされてきて混合されて濃密な吹雪状態を作り出し視程を妨げます。
やや視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時17分53秒撮影
5)物流のトラックは吹雪に動じず一定の速度一定の車間距離を保ちつつ整然と通行しています。
やや視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時18分撮影
6)電光掲示板によると通行止めにはなっていないようです
視程の良い走行状態の写真
15時20分撮影
7)青空が見えています。晴れの領域に入りました。
畑を通る風が起こす地吹雪で視程が遮られている道路の写真
15時21分撮影
8)交差点で右の方角を見ると、この先の道路は吹雪に覆われていて車高の低い車は視程を遮られて通行が難しそうです。大きな吹き溜まりが出来ているかもしれません。さらにその先の雪雲の下は激しい降雪が予測されます。
遠くの雪雲と晴れの領域の境目が判る写真
15時22分撮影
9)青空の領域から遠くの雪雲を見て吹雪の領域を予測する事は出来ますが、その逆は出来ません。吹雪の領域から脱出するまで耐えるしかありません。

冬に雪が降るのはあたりまえの事で特段騒ぐ事ではありません。物流のトラックは当然のごとく雪国のドライバーは吹雪の中でも車を走らせ続けます。

それは「暴風雪警報が発令されている中を皆が車を出して走る」という事ではありません。そんな時は不要不急の外出を控えて、安全な場所でじっと嵐をやり過ごします。

通常の風雪が予測される中に出発したなら、目的地まで行くか、帰着するまで風雪の中でも移動を続ける。走る続けるということです。
通常の風雪は想定内
通常の気象現象として冬の風雪はそもそも想定内という事です。北海道のドライバーは想定内の風雪に対処できる運転技能を持って交通が成り立っています。

しかし近年過去のデータの蓄積による気象予測が難しくなってきている現実があります。想定外の気象状態による未知の危険に備える必要が出てきました。

北海道では近年アジアからの旅行者が急速に増えています。雪道の運転経験が無く、交通ルールや順法意識も異なる南国の人々が、レンタカー観光をしている現実があります。

実際にアジアからの旅行者がレンタカーに乗って悲惨な死亡交通事故を起こしている現実もあります。

吹雪が危ないという単純な事では無く、それに付随する未知の想定外が起こる危険が増えています。
視程の良い走行状態の写真
15時26分51秒撮影
10)大型トラックは運転席の位置が高いので、吹雪でも視程が利きやすい利点があります。運転席の位置が低く、吹雪の影響を受けやすい乗用車よりも安全に走る事が出来ます。
やや視程が悪い走行状態の写真
15時26分54秒撮影
11)路面に蛇行したトラックの轍が残されています。この場所も少し前までは吹雪で視程が悪かったようです。
やや視程が悪く路面状態の悪い道路の走行状態の写真
16時39分撮影
12)跨線橋に激しい降雪があると直ぐに路面状態が悪化して渋滞になります。
やや視程が悪く凍結路面を走行している写真
16時45分撮影
13)日中降り積もった雪は車に踏み固められて、気温の低下に伴い柔らかい圧雪から強固なアイスバーンへと変化していきます。
凍結路面で発生した事故を処理しているミニパトの写真
16時47分撮影
14)通過車両のタイヤによって磨かれたアイスバーンはとても滑りやすく、スリップ事故が続発します。しかし走行速度は遅いので、衝突エネルギーも小さく、シートベルトを着用していれば人的被害はほとんどありません。
おおきく車間距離をとって凍結路面を走行している車の写真
16時49分撮影
15)気温の低下と共にアイスバーンの磨き込みに拍車がかかります。ちょうどラッシュの時間帯ですが皆さん慣れているので、適正な車間距離を保って整然と通行しています。
吹雪走行の想定外
かなり視程の悪い吹雪の走行状態の写真
15時07分撮影
これは安全に走行出来る状態です
吹雪の中で交通取締りをしているパトカーの写真
15時05分撮影
しかし調子に乗って飛ばすと「お縄」になります
この程度の吹雪は通常日常の範囲という事です。
吹雪走行で発生する深刻な問題
以下の写真は2014年1月13日撮影のものです
凍りついたワイパーとフロントガラスをきれいにしている乗用車の写真
2014年1月13日撮影
酷い吹雪地帯を突破してきた車は、ほぼ例外なくコンビニに等の安全に停車できる場所に立ち寄ります。
凍りついたワイパーの写真
2014年1月13日撮影
酷い吹雪地帯を走行するとワイパーが凍りついてしまいます。それを取り除く為に安全な場所に止って取り除く作業をしているものです。

写真は説明の為に氷塊を一部残した状態でワイパーを作動させて撮影したものです。
酷い吹雪の中で、更に追い討ちを掛けるようにワイパーが利かなくなると、もう完全にお手上げ状態になります。
吹雪でワイパーが凍りつく
酷い吹雪や弱い吹雪でも状況によってはフロントガラスに吹き付ける雪がワイパーに凍りつき、ワイパーの機能を失わせてしまう事があります。そのシステムは以下のプロセスになります。
1)フロントガラスに吹雪が叩き付けられる。
2)叩きつけられた雪によりフロントガラスが急冷される。
3)急冷されたフロントガラスの内側に酷い結露が発生する
4)結露を解消するためにデフロスターを作動させる
5)デフロスターによってフロントガラスに温風を当てて結露した水滴を蒸発させて視界を回復させる。
6)フロントガラスに温風を当てる事でガラスの温度が上昇して叩き付ける雪が瞬時に解けて水になる。
7)雪が解けた水をワイパーが拭き取り、その水分が吹き付ける風に冷却されてワイパーに着氷がはじまる。
8)1)から7)の工程が繰り返される事によって、ワイパーの氷塊が急速に成長する。
9)ワイパーに付着した氷塊によりワイパーのラバー部分が覆われフロントガラスから浮かされてしまう事で、ワイパーの拭き取り能力が失われていく
10)ワイパーに付着した氷塊が成長を続け、フロントガラスの拭き取り残しが増えて前方が見える部分が少なくなっていく。
11)ワイパーの拭き残しの隙間部分を探して覗き窓のように顔を寄せて前を見ながら走るようになる。吹雪き地帯を抜け出る事を期待してゆっくり走り続ける。
12)ついに前方視界が完全に失われてしまったら、覚悟を決めてハザードランプを点灯させて停止する。前後を走る車両にも同じ事が起こっており、走り続ける事が困難になっているはずなので、同じように止っているか、走り続けていたとしても速度が遅いので、追突されてもダメージは少ないと考える。
吹雪の中で立ち往生する
13)停止してしばらくたっても何も起きなければ、後続車も止っていると思い一安心。少し窓を開けて外の様子を見て、可能ならワイパーの氷塊を取り除く試みをする。
14)ワイパーが回復して前が見えるようになったら、道路状況を見て進めるようならゆっくり前進する。
15)視界不良により走行不能に陥ってしまったら、無理に動こうとせずに視界が回復するまでその場で待機する。
16)降雪により動けなくなった場合には、腹を決めてその場で救助を待つ。下手に車外に出て風雪に曝されると、靴や着衣を濡らしてしまったり、体力を消耗したりと、後々の持久戦に不利になる。
17)車体のドアの下まで雪が積もったらエンジンは止める。そうしないと車体の周囲が埋まるまで降雪に覆われてしまうと、排気管も雪に埋もれ、車体の下の空間に排気ガスが流れ込み、エンジンルームまで到達して、エンジンが排気ガスを吸い込み不完全燃焼を起こし、一酸化炭素濃度が急上昇する。
18)一酸化炭素は無色無臭で車内に浸入しても存在に気がつかない。少しづつ吸い込んで一酸化炭素中毒が始まっていても、すぐには自覚症状が出ない。
19)一酸化炭素の性質は単純な毒では無く、血液が酸素を運ぶ機能を停止させる作用をもつ。したがって吸い込んでも苦しく無く、痛くもかゆくも無い。
20)酸素を運ぶ機能が失われると、最初にダメージを受けるのが脳細胞になる。痛みを感じるべき脳細胞が死滅を始める事で、痛みを感じないまま死に至るらしい。
21)マイナス気温の中でエンジンを止ると寒さで凍死するのでは?と思うかもしれない。しかし、何の問題も無い、雪山のテントよりも快適にビバークできる環境だ
22)寒くなったらシートバックを倒して、ゆっくりと腹筋運動をすればいい。20回もすれば温まり、50回もすれば暑くなる。新手のダイエットだと思って手足のストレッチを取り入れつつ腹筋しながら救助を待てば良い。
23)着衣が濡れていたり、体力を消耗していたり、泥酔していたりしない限り、どんな猛吹雪でも車内で守られて居る限り凍死する事は難しい。
昨年吹雪の中で立ち往生した車の中で一酸化炭素中毒により、一家4人全滅という痛ましい死亡事故が発生しました。また同時刻に吹雪で立ち往生した車から脱出して屋外で凍死する事故も起きています。
冬の北海道を車やバイクで移動する際は冬特有の自然災害のリスクとそれに伴う人災のリスクを理解しておいたほうがいいと思います。
実は自分自身も北海道に住んでいながら十分理解しているわけでは無く、たとえ判っていても防げるとは限らず、近年天候の振れ幅が拡大している事を考えると正直怖いものがあります。
103)元旦宗谷岬ツーリング2014_4_3)_吹雪のおまけ_3
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