
1)
知床峠は開通後も夜間は路面凍結の恐れがあるため通行できません。日中の決められた時間になって(10時から15時半など)通行止めゲートが開くのを待って知床峠頂上に登ります。峠の駐車場のベストポジションにバイクを停めて羅臼岳を見てみると・・・
例年通り雪がたくさんあれば、ここから雪の上を歩いて山頂まで行く事が出来るのですが、下から見た瞬間にそれが無理であることが判ります。雪があれば頂上直下の真ん中の雪が残っている沢地形の部分を直登します。
その時々の自然の状態に左右されるこの時期限定の遊びです。自然は人の都合では動いていないので、なかなかタイミングが合わなかったりしますが、それゆえに「山がおいで」と言ってくれた時にはすばらしい景色を見せてもらうことができます。そんな期待をもって毎年ここを訪れます。山はまた来年おいでと言っているようです。 |
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2)
羅臼岳に登る事は諦めて、まだ雪のたっぷり残った別の場所に移動します。
ここでバイクモードからスキーモードへ変換します。 |
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3)
テレマークスキーという歩く事が出来るスキーを履いて雪の斜面を登っていきます。
写真のようにスキー靴の踵の部分が固定されていないので自然に歩く事が出来るのが特徴です。スキーの滑走面(裏側)にはシールという滑り止めの毛皮のとうな道具を張り付けて後ろ向きには滑らないようにして前向きに歩きます。斜面を登り切って、下り坂を滑る時にはシールを外してリュックに仕舞って滑ります。
スキーマラソンに使うクロスカントリースキーと同系統の道具です。穏やかな春スキーなので、スキーウェァーは防水の効いたバイクのウェァーで兼用して使います。バイクのウェァーは膝にパッドが入っていてテレマークスキーには都合が良かったりします。 |
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4)
知床峠を挟んで羅臼岳の向かいの山に登ります。
こちらも雪解けが進んでいます。 |
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5)
早春の羅臼湖と知西別岳、遠くに羅臼湖トレッキングを楽しむ人たちが二組見えます。 |
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6)
既に相当雪解けが進んでいるので、スムーズに進めません。こういうときは無理をせず、状況にしたがいます。 |
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7)
気持ちのいい斜面でしばらくスキーをしてから、景色のいい場所で一休みします。 |
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8)
湯を沸かして、昼飯にします。風に弱いガスコンロも雪で風避けを作ってやると燃料を無駄にしないで効率よく湯を沸かす事ができます。
この時雪壁とコンロの距離が近過ぎると、条件によっては風が巻いてコンロの炎や熱がコンロ本体や連結されたガスボンベに到達してしまう事があるので注意が必要です。特に明るい日中はガスの炎は見えないのでガスコンロ本体を焦がしてしまったり、調節つまみを溶かしてしまうことがあります。 |
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9)
遠く国後島がくっきりと見えています。どこにでもあるようなコンビニおにぎりですが、こうしていただくおにぎりはとてもありがたく、米の一粒一粒までもが美味いと感じます。ここで淹れるコーヒーもあたたかくありがたく、両手で器を包んで冷風で冷えた指先を暖めつつ美味しくいただきます。
そんな、一個のおにぎりや一杯のコーヒーをいただくために出掛けていきます。それって子供の頃に嬉しかった遠足となんら変わらないことですが、形を変えつつ延々と続けています。 |
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10)
知床峠の夜間通行止め時間(午後4時頃、状況により変動)に間に合うように下山します。がんばって登った斜面もあっというまに滑り降りてふりだしに戻ります。
活躍した道具達を天日にあてて乾かします。足元のふきのとうを踏まないように着替えをしてスキーモードからバイクモードに変身します。
バイクにスキーを搭載する場合は、常に決まった形になるように時間を掛けてカッチリとパッキングします。スキー板も空力的な理由からステンレス素材を使った薄いスキーを使います。準備が出来たらまずは温泉に向かいます。峠の麓の羅臼町には良い温泉がたくさんあります。 |
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11)
知床峠は凍結によるスリップ防止のため所々路面に細かな溝が刻んであります。溝切り路面ではタイヤの接地面が部分的に断続する事で摩擦力が減って急カーブでは微妙に滑るようになります。
特に二輪車は走行特性の影響を感じる事が出来ます。それはセルフステアと呼ばれる二輪車特有の回旋舵角追従反応が弱められる事に起因しますが、そもそもこのバイクはサスペンションの構造上セルフステアが弱いので大勢に影響はありません。
それよりここでは「ブラックアイスバーン」のような事故に直結してしまう滑り方を防ぐ事のほうが重要です。ここ知床峠では積雪による冬季通行止めの開通と閉鎖の時期の前後一定期間は凍結による事故防止の為、気温の下がる夜間は通行止めになっています。 |
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12)
溝加工(グルービング)された路面を気持ちよく走ると気持ち良くタイヤが減ってしまいます。溝路面ではカーブで外側にタイヤが微妙に滑るので、前輪の舵角を僅かに深く切ってバランスをとります。その結果通常は接地しない部分まで接地して微妙に滑りながら旋回していきタイヤの端まで削れてしまいます。
いままで夏タイヤはどれもたいして変わりは無いと思っていましたが、このタイヤは気に入りました。気持ちよく走って一気に交換時期になってしまいました。 仕事で日々知床峠を行き来している地元の方の話で「タイヤは異常に減るよ・・・」と言うのがよくわかります。道路の凍結対策も北海道の地域特性です。 |
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旧国鉄時代に使われていた帯広から十勝三又まで開通していた「士幌線」のタウシュベツ橋梁です。コンクリートのアーチ橋が風景になじんでいるという事で観光名所になっています。
しかし夏になって糠平ダムが満水になると水没してしまうので季節限定の風物詩になっています。国道からこの展望ポイントまで砂利道が続いています。 |
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14)
知床からの帰り道にちょっと寄り道していきました。写真中央奥に聳えるのは、白く雪化粧している「トムラウシ山」、その麓にある温泉に向かいます。 |
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砂利道を10km程進んだ所に倒木が道を塞いでいる場所がありました。しかし路肩が広く乗用車でも楽々迂回する事ができる状態でした。この林道は時折崩壊し、数年単位で通行出来ないことがあるような場所です。 |
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この先の川を渡った所に目指す温泉があります。
この道の先に大雪山系の登山口があるのですが、この時点では崩壊していて通行する事ができない状態になっていました。 |
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川岸の崖から勢い良く熱湯が湧き出しています。湯口の熱湯が噴出している飛沫がかかる所に緑の苔のような生き物がへばりついています。よく煮えてしまわずに生きているものだと関心してしまいます。
北海道の別の地域には、温泉成分のマンガン鉱物を食べて生きている生物も確認されていますが、ここにいる生物もなにか特別な生き物なのかもしれません。詳しい事は判りませんが、すくなくとも我々と同じく温泉好きの生物であることは間違いありません。 |
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18)
面白い構造の湯船で、湯船の赤いバルブを開くと沸き立つ熱湯が注がれて、黒いバルブを開くと雪解けで激冷えの川の水が注がれます。
今回はありがたく貸切状態で好きなように楽しめましたが、多数で入るときは、考えて入っていないと、湯船の表面を伝う煮え立つ熱湯にやられて飛び上がってしまいます。
春先のせいか?毎分1トンありそうな位の豊富な湯量です。これだけあれば、暖房や発電に使って余りで温室を作ったりして自給自足の生活で越冬も可能かもしれないなぁ・・・と、かってな想像してしまいます。ここは地球の恵みを直接受ける感じがして大好きな温泉です。 |
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ここからは美味いものの写真を・・・
知床に向かう道すがら足寄町で久々に美味いアイスに出会いました。「塩ジェラード」「ラムレーズン」です。塩味のジェラードは超爽やかです。深みのあるラムレーズンとの組み合わせは久々の感動でした。 |
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知床半島の羅臼町で食べた「ツブカレー」です。
かつて肉がなかなか手に入らなかった時代には身近にある食材のツブをカレーにしていたのでしょう、たまに食べてたくなる地元の家庭の味です。 |
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帯広の豚丼です。これは室蘭焼き鳥丼に極めて近い亜種です室蘭焼き鳥とは、焼き鳥といっても鶏肉ではなくて豚肉を串焼きにしたものです。室蘭で古くから店を開いている店主によるとかつて工場労働者に安く沢山食べてもらうためには鳥よりも豚のほうがよいということで、豚肉の串焼きを焼き取りといって定着していったそうな、
そんな焼き串を抜いて丼に盛ってたれを掛けたものが室蘭焼き鳥丼です。炭焼きのほんのり苦味の利いた香ばしい風味と継ぎ足し継ぎ足しで熟成された円熟の甘辛たれが絶妙に絡み、どんぶり飯をやっつける力強い丼です。帯広の豚丼については未だ調査中です。 |
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鹿追町のレストランの地産地消のモデルのようなメニューです。
主張のある自家製蕎麦をぶっかけ山わさびでいただきます。地元畜産家から仕入れたソーセージも山わさびでいただきます。いなきびごはんは蕎麦味噌でいただきます。さらにサラダと蕎麦湯がついて、栄養的にもすばらしい内容です。この内容で、上の豚丼と同じ値段です。 |
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