41)バイクに乗って旅に出た2004夏その三
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その一/その二/その三/その四
2004/8/15
台風の爪跡の激しい四国の山間部に分け入ります。 
瀕死のつばめの雛の写真
1)
 地図を見るのにちょうどいい日陰を見つけた、近づくと地上すれすれをツバメが飛び交っている。地面に何か落ちている?ツバメのヒナが一羽転がっていた、手にとると既に虫の息、どうやら餌をもらうのに夢中になって建物の庇に設えた巣から4メートル下のコンクリート路面に落ちたようだった、それは庇の下面に下向きの入り口がついた不自然な巣だった、せっかくここまで育ったのに自然の摂理に飲まれようとする小さな命、

 バイク乗りである自分もいつしか硬い物に叩き付けられて命の終焉を迎える時、見えざる手に抱えられて別の世界に連れて行かれるのかな〜と漠然と物思う瞬間、
開いている林道ゲートの写真
2)
 鉄角材のシンプルな林道ゲートここから先は数十キロの砂利道が続きます、台風の影響でどれほど崩れているのか?昨年は通行できませんでしたが今年はゲートが開いています。先に進むと崩落の連続です。十分な下見をして走行ライン決めて、安全に通行できるとふんだらチャレンジします。バイクに乗っていると、「ここ一番絶対に失敗は許されない」という場面に遭遇します。それは好むと好まざるに関わらず、災難として降りかかります。
大きく崩落した林道の写真
3)
 例えば早いスピードで流れる国道のコンビニから左右確認せずに、こちらが急ブレーキ踏んでも衝突を避けられないタイミングで飛び出してくる無謀運転の車に遭遇する。とっさに右に避けようにも丁度大型トレーラーが勢い良く対向車線を走ってきている。

 (A)こちらが乗用車なら、ハンドルを切らずに真っ直ぐ急ブレーキ踏みクラクション鳴らしながら、無謀運転車の後部に衝突する事で、最悪の事態であるトレーラーとの正面衝突は避けられます。そして無謀運転車には物理的制裁が加えられます。もし無謀運転車が押し出される形でそのまま対向車線まで出てトレーラーと衝突する事になったとしても、それは無謀運転の代償を自ら払う事になるという結果です。

 (B)こちらがバイクの場合、上記と同じ行動をとると、無謀運転車に衝突した瞬間、路側から車線に向かう外力を受けて対向車線の方向に転倒してきます。衝突を防ぐにはセンターライン上か路側帯に逃れるか、瞬間の判断です。逃れる場合は慣性と路面を読んでタイヤの摩擦力とスピードを計算して一瞬にして回避しなければなりません。センターライン方向はトレーラーに衝突、路側帯側は電柱等に衝突する危険が高く、いずれも結果は悲惨です。
崩壊した林道の亀裂に突っ込んで落ちる寸前で倒れているバイクの写真
4)
 どちらが正しいとか相手が悪いとかの話以前に物理的にダメージを受けるのは生身をさらすバイクの方です。林道では命に直結する事態は少ないですが、落ちるとちょっと面倒な事になりますね。(笑)そうならないようにトレーニング。こんな場面では転落するくらいならぶっ倒してでも止めたほうがいい場合もあります。
沢沿いの民家が土石流で破壊されている現場の写真
5)
 尋常じゃない台風被害を目の当たりにして、早々に山間部から撤退する事にしました。この沢は鉄砲水が発生して民家を押し流してしまったようです。自然の猛威の前に人間は成す術がありません。橋も流されてしまい復旧工事が始められていますが、被害が大きいので難航している模様です。

 ここは一日数回1時間ずつ一般車両を通していますが、時間を読み違えると、迂回路が無く半日待つ事になります。
ひょうたんの形の瓶に入った清涼飲料水「ニッキ水」の写真
6)
 通行止めだらけの道をかろうじて作業道を縫うようにしてたどり着いた小さな集落で昼食をとりました。台風の猛威で沢谷川沿いの国道193号は完全に崩落し、復旧のめどすら立っていない状態です。

 沢谷地区は孤立してしまい一週間停電が続いたという事です。地区の商店はしばらく営業が出来ない状態で、冷蔵庫の中が全部駄目になってしまったと嘆いていました。代々この地に暮らしている人も、こんなにひどい事になったという話は聞いたことが無いと驚いていたそうです。
楽しそうに流しそうめんをしているげんさんと子供達の写真
7)
 日和佐町にある「ほたる村」です。「かっぱのげんさん」の理想郷で、全国から子供らが集まってきます。「流しそーめん」をするの図です。一度に20人以上で流しそうめんが出来るように工夫されています。

 「ほたる村の流しそうめんは、そうめんのほかに、いろいろな食材を流して、子供達の反射神経をやしなっているんや!」と笑うげんさん。確かに流れる「プチトマト」を箸で捕らえるのは難しい!流す水は川の水をダイレクトに使っている、それほどここの水は綺麗という事です。
腕時計の上に乗った小さなカニさんの写真
8)
 川の水をそのまま飲んで暮らすというのは、かつては当たり前だった事でしょうが、現代それが実現できる場所は日本中にどれほど残っているのでしょうか?私の知っているのは「屋久島」の山間部とここ「日和佐のほたる村」だけです。

 げんさんは心にトラブルを抱える子供らをほたる村で受け入れて、自然の中で回復を促す手伝いをしている人です。太鼓とこま回しが得意技です。
浦島太郎の童話に出てきそうな風景、日和佐大浜海岸の写真
9)
 日和佐の大浜海岸は海亀が産卵にやってくる貴重な海岸です。天然記念物に指定されていて「日和佐町海亀保護条例」を策定し、町をあげて保護に取り組んでいます。5月20日〜8月20までの期間の毎日午後7時半より翌朝午前4時までこの海岸は立ち入り禁止になります。

 また、海岸に通じる道路は午後8時〜翌朝午前4時まで車両通行止めになります。大浜海岸には海亀博物館「カレッタ」があり、海亀の生態を知る事が出来ます。
風情漂う日和佐町の小路の写真
10)
日和佐の町は小路が入り組んでいる。

 どこかに竜宮城に通じるタイムトンネルの入り口があるらしい・・・ 
夜の阿波踊り、徳島市新町川河畔の風景
11)
 徳島駅前通り、夜の新町川河畔を染めて踊る阿波踊りの風景、笛、太鼓、鐘、古くから伝わる伝統楽器で奏でられるリズムは、日本人の根幹に響き渡る。
夜の阿波踊り、徳島市駅前通り国道438号線上で集団で踊る民衆の写真
12)
「踊るあほうに〜みるあほう、同じあほなら、踊らにゃ損!損!」
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