79)元旦宗谷岬ツーリング2009_5+
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冬の十勝晴れ
今回はバイク仲間とのスキーを諦めた代わりに、荷物の軽量化をしてバイクツーリングを楽しむ旅にしました。国道39号線で層雲峡経由の三国峠を通って十勝平野に向かいました。
雪で覆われた白銀の世界で夕日に染まる美しい白樺並木の写真
1)
 音更町駒場にある十勝牧場の白樺並木です。ここの牧場には北海道を拓いた馬の子孫が暮らしています。夏の緑の牧場も美しいですが、冬の白銀の牧場も綺麗です。

 このような砂利道に雪が積もっている道路では凍結が無ければスパイク無しのスノータイヤでも安全に走行できます。
懐かしさを感じるやさしい雪道の写真
2)
 日高山脈の麓の綺麗な雪道です。このような雪道を探すのが冬のツーリングの楽しさです。ここは極端に交通量も少なく、原動機付き自転車から大型バイクまで楽しく走れる雪道です。

 子供の頃は札幌市内にもこのような道が家の近所にも在りました。車庫から自転車を引っ張り出してプラスチック製のソリ(ボブスレー)を紐で繋いで引いて、自転車を漕いで引っ張る役とボブスレーに乗って引かれる役をじゃんけんで決めては交代しながら日々遊んだものでした。

 じゃんけんに負けて自転車を漕ぐ役は全力で漕いでスピードを乗せてコーナーを駆け抜けます。引いているボブスレーをコーナーでひっくり返してやれば自転車の勝です。逆にボブスレーの乗り手はコーナーでテールスライドさせながら絶妙なバランスを取り続けて、自転車の漕ぎ手が疲れ果ててしまえばボブスレーの勝です。
 
 自転車もボブスレーも「こてんぱん」にコケますが、雪道はやさしく受け止めてくれるので、まったく怪我の心配がありませんでした。それでも中学生になる頃には体力も付いてきてかなりの真剣勝負になっていました。(笑)
厚みのあるバリバリの圧雪アイスバーンの写真
3)
 これは御影方面からトムラウシ温泉に向かう道道718号線の曙橋付近です。山間の舗装道路ではこのようなバリバリのアイスバーンになってしまう事があります。こうなってしまうとスノータイヤでは、制動や危険回避が困難になってしまいます。安全の為には性能の良いスタッドレスタイヤを履いて慎重に走ります。

 しかし強力なスパイクタイヤにとっては楽しくてしょうがない最高の路面です。(笑)
雪深いポントムラウシ川林道の行き止りの写真
4)
 曙橋からヌプントムラウシ温泉方面の深雪道を分け入ってみると、大きく曲がる分岐の所で行き止りです。ここから先はバイクでは行けません。
帯広市内中心部の道を挟んで向かい合う蝦夷鹿のオブジェの写真
5)
 帯広市内は気温は低いものの雪がありません。  
高速道路上をバイクで走行している写真
6)
 帯広市内から中札内方面に向かう高速道路にも雪がありません。  
路肩にアイスバーンが残る防風林沿いの道路の写真
7)
 中札内村の一般道路です。路肩に残った雪が解けて凍りアイスバーンになっています。
冬の白銀がまぶしい十勝晴れの青空に映える白樺防風林とバイクの写真
8)
 十勝晴れの中、気の向くままに雪道を走ります。路面の雪が厚く、わんこのように全力で駆けられるので、バイクも大喜びです。

 ここは降雪量が少ない地域ですが、このように美しい雪面は太陽のエネルギーを反射してしまうので、晴天でも雪は溶けにくいので、降った雪が残っています。ところが路面が出てしまったり、雪が汚れていたりすると、太陽エネルギーを吸収してしまうので急速に温度が上がり雪は融けてしまいます。
十勝晴れの下で未踏の裏道で雪遊びをしているバイクの写真
9)
 除雪していない道に分け入っておもいっきり雪遊びします。

 クリスマス頃に降った雪が晴天の太陽にも融けずに残っています。この時気温はマイナス8度を超えていますが、ほぼ無風なので、バイクを停めて歩くと全身に太陽熱を浴びて暑くて汗をかいてしまいまう程です。

 それでも雪面は光を反射してしまうので融ける事は無く、やや表面が硬くなっている中の雪は柔らかいままです。 もしこんなときUVカットのサングラスが無いと、太陽から直接届く紫外線と雪に反射して届く紫外線をダブルで浴びてしまうので、目玉をやられてしまいます。
除雪された雪が路肩に高く積まれている道路の写真
10)
 大樹町市街の国道236号線です。路面には雪はありませんが、クリスマス低気圧の時に降った雪が路肩で山になっています。
伸ばした手に寄ってくる人懐っこいわんこの写真
11)
 コンビニで休憩しているとわんこを載せた軽トラックがきました。とてもひとなつっこい、わんこのテンちゃんです。
雪が殆ど無い断崖の海岸道路の写真
12)
 国道226号線、通称黄金道路、広尾町の端っこのあたりです。路面にも路肩にも雪が少ないです。風も無く波も穏やかです。
晴れ渡った秋のような風景が広がっている写真
13)
 道道34号線、百人浜のあたりです。このあたりは常に風が強く吹く地域で雪があまり積もりません。夏は常に霧が出る所ですが、冬は晴れ渡っています。日高山脈より十勝側は冬の間は晴天率が高いです。この辺りはかつて一面の鬱蒼とした原生林だったそうですが、今の状態からは想像がつきません。
丸みを帯びた襟裳岬灯台の写真
14)
 襟裳岬灯台です。北の角ばった宗谷岬灯台と対照的な丸っこいデザインの灯台です。
雪が無く秋のような襟裳岬の写真
15)
 2009年1月5日の襟裳岬です。こちらも雪がありません。この時風速16mを越える風が吹いていました。ここは常に強風が吹く場所です。特に冬は強風が吹き荒れる事が多く、正月10日には瞬間最大風速40mの風が吹いていました。

 この襟裳岬でも初日の出を見る人が大挙して集ったそうですが、近年は数が減り全盛期の半分も来ていないよ。と地元の方の話です。

 ここは冬は晴天率が高いので初日の出を見られる確率が高いようです。
襟裳岬から山頂部に雪を被った日高山脈方面を望んでいる写真
16)
 裳岬から日高山脈方面を見ている写真です。この方向に真っ直ぐ進んで日高山脈を縦走して大雪山を突破して宗谷丘陵を越えて真っ直ぐ413km進むと宗谷岬に到達します。

 一般道路を走って宗谷岬に向かうとなると、日高経由で日本海側を北上するルートで約530km、帯広経由でオホーツク海岸を北上するルートで約540kmの距離があります。

 日高山脈を挟んで日高側には雲がかかっていますが、十勝側には雲がありません。日高山脈が雪を落としてくれるので十勝地方は晴れの日が多くなります。・・・というのが冬の十勝晴れのシステムです。
遠くから雲に覆われ始めた海岸線の写真
17)日高山脈を越える峠のおまけ付き

 国道336号線、様似町のあたりです。今回は海岸沿いに日高山脈を大きく迂回しました。それは襟裳岬を廻る目的があった事もありますが、近年は融雪剤の問題で冬のバイクツーリングでは主要峠には行かなくなりました。
雲間から太平洋に沈む夕日の写真
18)
 国道336号線、新冠町のあたりで日没になりました。太平洋の日没です。
ぶ厚い氷に覆われた路面の写真
19)
 国道36号線、苫小牧のあたり、コンビニで一服します。気温はマイナス7℃、厚みのあるバリバリのアイスバーンです。苫小牧は雪が少なく気温が低いのでスケートが盛んな町です。

 国道36号線、室蘭、苫小牧、札幌、間は北海道で一番のトラック街道です。昼夜共に交通量が多いですが、苫小牧札幌間は全て二車線化がされていて、道幅も広く歩道も設置されています。峠も無いので交通の流れはスムーズです。積雪も少なく、除雪体制も良いので、日中の気温の高い時間帯を狙って走れば、冬でも夏タイヤで走行できる場合もあります。

 ただし、高架橋の上や、大きな日陰の部分など、アイスバーンになりやすい場所を確実に把握しての話です。

 例年バイクを冬タイヤに履き替える前の12月初旬頃まではこちら方面に走りに来ます。
ライトアップされた雪の時計台の写真
20)
 札幌の時計台です。本名は「旧札幌農学校演武場」といいます。1878(明治11)年に当時この場所にあった札幌農学校の総合体育館のような立場で建てられました。 当時天文台で恒星の観測をして正確な時間を示していた時計台は、札幌の標準時時計として活躍していたそうです。

 時計の動力源は錘(おもり)の重力です。時計塔の中に吊るされた錘の落下する力を、ワイヤーロープで歯車に伝えて動かしています。錘は時計の針を動かす50kgの錘と、鐘を鳴らす150kgの錘の二つがあります。 今でも二つの錘は人の手で巻き上げられて時を刻んでいます。

 すぐに新しい物を欲しがる大量消費時代にあっても、明治時代の機械を、歯車一個、ネジ一本まで大切にして使い続ける時計台は、道具は修繕して大切に使っていた古き良き時代を伝える貴重な存在だと思います。

 観光客には「日本三大がっかり名所」などと言われているようですが、四方をビルに囲まれていようとも、気にする事なく、いつまでも、北海道開拓の礎となったこの場所で時を刻み続けてほしいと思います。
 
 好きです時計台
 今回は雨、雪、晴れ、曇り、と変化を楽しむ年越しバイク旅になりました。北海道内でも地域によって雪や道路の状態が大きく違う事が判ります。

 またもや温暖化を感じる旅になりました。たまには泣きが入る程「なまらシバレ」て欲しいのですが、近頃元気の無い冬将軍を復活させるにはどうしたらいいのでしょう?昔の北海道はどうだったのか?そんな事を考えながら時計台の鐘を聞いて旅を終えました。
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